池袋暴走事故から5年 松永拓也さん飯塚受刑者と面会…“やりとり”明かす
日テレNEWS NNN
5年前、東京・池袋で起きた暴走事故で妻と娘を亡くした松永拓也さんが29日、服役中の飯塚受刑者と初めて面会しました。飯塚受刑者は世の中の高齢者に伝えたいこととして、「早く免許を返すように伝えてください」と、松永さんに話したということです。 ◇ 事故から5年。29日、松永拓也さんが語ったのは… 松永拓也さん 「飯塚さんに『僕も自分の妻と娘を亡くしたので、あなたのことは許せる日がくるかわからない』『許せないかもしれない』『だけど、あなたのことを認めることはできるかもしれない』。『あなたを認めて再発防止につなげるために面会させてもらって、会ってくれたことそのものに感謝してます』と、改めて伝えました」 …感謝の言葉でした。
2019年に東京・池袋で起きた暴走事故。松永さんは、愛する妻・真菜さん(当時31)と、娘・莉子ちゃん(当時3)を亡くしました。
裁判では、「車に何らかの異常が生じた」と、一貫して無罪を主張していた飯塚幸三受刑者。実刑判決は確定しても… 松永拓也さん(2021年) 「私はずっと(飯塚受刑者が)『自分自身の過失だと思う』と、その一言を言ってほしかったです」 交わることのなかった加害者の主張と遺族の思い。それでも、松永さんは… 松永拓也さん(2023年) 「彼自身が加害者になって思ったこと、感じたこと、経験したことを、私がやったように社会に還元してほしい。彼の本心を聞いてみたい。うそじゃない人間としての言葉を聞いてみたい。だから話してみたい」 交通事故を防ぐため、加害者側の経験も社会に伝えることを望んできました。そして先月、松永さんのもとに届いたのが… 松永拓也さん(先月6日) 「心情伝達制度という制度を使って、結果の通知書が届きました」 心情伝達制度とは、去年12月に始まった、遺族などの心情を刑務所の職員を介して受刑者に伝える制度。松永さんは、この制度を使って飯塚受刑者に面会などを求めていました。