日本の平均年収は約460万円「では正社員と非正規にわけるとそれぞれいくらですか?」
国税庁が発表した「令和4年分 民間給与実態統計調査」によると、2022年(令和4年)の平均年収は458万円です。 ◆◆【年収一覧表】日本の平均年収は約460万円。正社員と非正規にわけるとそれぞれいくら? ただし、この結果は「1年を通じて勤務した給与所得者」をすべて含んだ数字です。 そのため、正社員と非正規社員で分けると、それぞれの平均年収は異なります。 6月はボーナス支給月でしたが、ボーナスの有無も正社員と非正規社員の大きな違いと言えるでしょう。 今回は、正社員と非正規社員の平均年収について説明し、その違いの背景や影響について解説します。 ※編集部注:外部配信先ではハイパーリンクや図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。
正社員と非正規社員の平均年収はいくら違うのか?
正社員の平均年収は、非正規社員と比べて高めというのが一般的です。 どのくらい違いがあるのか、先述と同じデータでそれぞれの平均年収を比較してみましょう。 正社員の1人当たりの平均年収は「523万円」。 一方、アルバイト、パート、派遣社員などが含まれる非正規社員の平均年収は「201万円」となっており、両者には約300万円の差があります。 さらに男女別にみると、正社員の男性の平均年収が「584万円」女性は「407万円」です。 また、非正規社員の場合は、男性の平均年収が「270万円」女性は「166万円」となっており、いずれも約240~310万円もの差があることがわかります。 正社員は、フルタイムで働き、賞与や昇給などの給与体系もしっかりしています。 しかし、非正規雇用の多くは、時給制で働き、昇給することも少なく、賞与もまとまった額が支払われないなどが原因となり、年収が低く抑えられる傾向にあります。
正社員と非正規社員の年収差による影響は?
正社員の平均年収が約500万円であるのに対し、非正規社員の平均年収は約200万円、正社員と非正規社員では大きな年収差があることがわかります。 この年収差により、非正規社員は正社員に比べ、生活水準や将来の安定性にも大きな影響を与えることになるでしょう。 その影響には次の2つがあります。 ●正社員と非正規社員の年収差による影響1:生活が不安定 正社員は雇用、収入において安定しています。 ライフプランを明確にして、それに沿った家計管理を行えば、生活水準を大きく下げることなく安定的に維持できるでしょう。 一方、非正規社員は雇用が不安定なうえ、収入が低くなりがち。 収入が低ければ、生活費を抑える必要があります。 家計を管理しても、収入内で生活するのが精いっぱいであれば、余剰を蓄えることは難しいといえます。 その結果、いつもお金が不足しているという不安にさいなまれやすくなります。 ●正社員と非正規社員の年収差による影響2:老後の生活も不安定 退職金は過去に比べて下がる傾向があるとはいえ、正社員には退職金制度が整っている場合が多く、老後生活の糧となります。 一方、非正規社員には退職金が支払われるケースは珍しく、老後生活に不安を抱きやすいといえます。 また、公的年金の老齢厚生年金は、現役時代の年収、厚生年金に加入していた期間などにより受け取る金額は異なります。 そのため、非正規社員の年収が低いという点は、老後に受け取る年金にも大きく影響するといえます。