Bリーグの開幕2連戦に見えたプロの魅力と問題点
統合されたプロバスケットボールのBリーグの開幕第2戦を取材した。9月23日、代々木第一体育館。主催者発表の観客動員は、開幕戦より多い9461人。どちらがホームかわからないくらいに、アルバルク東京のブースターの赤と、琉球ゴールデンキングスの白に会場が真っ二つにわかれ、熱気に包まれていた。開幕戦ではファウルゲームにまでもつれこみながら5点差で惜敗した琉球は、戦術を変えてきた。 第1ピリオドは、ビッグマン、197cmの大宮宏正(33)を先発させ、207cmの身長があるA東京の元日本代表の新加入PF、竹内謙次(32)の高さに対抗。開幕戦では、これまたA東京に新加入した元NBAのディアンテ・ギャレット(27)のマークに外国人を使ったためミスマッチが生まれ、その竹内に好きなようにやられた。その対策を練ったわけである。 第1ピリオドで琉球は意識的にドライブで切り込んでインサイドを攻め込んでいく。 「決めたターゲットを攻めていくという指示をした」と、琉球の伊佐勉ヘッド(47)。しかし、試合後、19得点を記録したA東京のエース、田中大貴(25)が「ディフェンスからゲームを作ることができた」と語る堅固なマークを抜き去ることができない。 ただ、この前半の戦術が後半に生きて「ギャップを生み出すことに成功した」(琉球の伊佐ヘッド)のだが、ここ一番でのミスが目立つ。日本代表にも名を連ねる琉球のエース、岸本隆一(26)が感性にあふれるトリッキーなパスワークでA東京のディフェンスを幻惑させるが、どうもオフェンスとの息が合わない。 「崩したが落とした」(伊佐ヘッド)というシーンが、何度も琉球ブースターのタメ息を誘うことになる。 結局、74-53で、A東京の圧勝で連勝。この日の琉球に見せ場はなく、Bリーグの第2戦は、ゲーム内容としては“つまらない試合”となってしまった。 A東京の伊藤拓摩ヘッド(34)は、その空気を読みとったかのように場内インタビューの冒頭で質問をさえぎって琉球へのリスペクトを口にした。 「私たちのチームは、相手が強いチームだからこそモチベーションを高く保てる。琉球は雑草だとか言われていたが、私から言えば強いエリートチーム。だからこそ高いモチベーションでこういう試合ができた。(連勝できて)ほっとしています」 素晴らしいリーダーである。試合後の会見で、この試合のMIPに選ばれていたギャレットも「琉球は強いチーム」と評価していた。 この開幕2連戦は、Bリーグの魅力と問題点を同時に示したと思う。