パワー半導体など集中、東芝が子会社を1500億円で日本特殊陶業に売却
東芝は25日、100%子会社で特殊なセラミックス製品などを生産する東芝マテリアル(横浜市磯子区)の全株式を日本特殊陶業に純有利子負債を含めて約1500億円で売却すると発表した。2025年5月30日の譲渡完了を予定する。東芝は売却で得る資金をパワー半導体やエネルギーといった重点分野に充てる狙いとみられる。日特陶は東芝マテの技術や顧客基盤などを活用し、電気自動車(EV)やパワー半導体向けのセラミックス製品を強化する。 【一覧表】電機メーカー8社の業績詳細 日特陶は事業ポートフォリオ改革を進めており、40年には内燃機関事業の比率を現在の8割から4割に下げ、非内燃機関事業の比率を2割から6割に上げる目標を掲げる。新規事業ではEVなど向けに窒化ケイ素を用いる損傷しにくいモーター用軸受の「セラミックボール」のほか、パワー半導体用の窒化ケイ素のセラミックス基板に力を入れている。 東芝マテもこれらの事業を展開してきた。日特陶は両社の技術などを融合することで相乗効果が見込めると判断。東芝も東芝マテが日特陶の傘下に入ることが最適だと考え、株式譲渡を決めた。 東芝マテは03年10月設立。24年3月期の連結売上高は345億円。4月時点の従業員は663人。