超攻撃的なサッカーで上を目指す 市ヶ尾・相山真二監督「たくさん点を取ること、何回も得点の喜びを味合わせたい」 【第103回全国高校サッカー選手権神奈川予選】
7月15日、第103回全国高校サッカー選手権神奈川予選1次予選の3回戦が行われ、市ヶ尾が新栄を相手に4-0で勝利を収めブロック決勝進出を決めた。 【フォトギャラリー】市ヶ尾 vs 新栄 前半こそ新栄のディフェンシブなシステムに苦しみMF8仙田俊介の1点のみに終わった市ヶ尾だったが、相山真二監督はそんな状況もポジティブに捉えていた。 「前半なんか特にPAに相手が8人とか、なかなか崩せないのがサッカーの難しいところなのですが、そこを崩すのが逆に面白いところなので…うまいこと外して崩せられれば良い、そのシーンが前半いくつかあったので、入らなかったけど後半そこを修正できたっていうところは少しは良かったです。まだまだ全部ができたわけではないですけど、もっともっと点を取れれば良いですね」 相山監督が追い求めるのは『市ヶ尾スタイル』とも呼べる超攻撃的なサッカー。その理由はこうだ。 「やっぱり自分はたくさん点をとって勝つのがサッカーだと思っているので、失点を少なくするっていうよりもたくさん点を取ること、何回も得点の喜びを味わうことがサッカーの一番の醍醐味というか面白みっていう気がするので、『何回も点を取れるように』って常に声をかけて、『そのためにはゴール優先でやり続けないといけないよ』と、常に選手たちに話してます」 その教え通り、この試合でも選手たちは外からのクロス、ロングパスでの裏取り、スルーパスからの抜け出し、ドリブルを駆使した個人技等々、多彩な攻撃を魅せた。そして最後は必ずシュートで締めくくる。 「そこのところは常に言っていて、『いくらボールを回していてもシュートを打たなきゃ点を取れないんだよ。シュートが打てるためにはどこに立ったら良いのか、ボールがここにある時にはここにいた方が点を取れる可能性があるよね?』ってところで常にゴールを中心に逆算して選手たちに伝えています」 「最後はシュートで終わろう」という指示はピッチでもベンチでも常々耳にする言葉だが、実際にここまで気持ちよくシュートを打つチームは珍しい。もちろん打てば何でも入るわけではなく、打った分だけ外す本数も刻むのだが。 「そこがやっぱりウチが上の方で勝っていけないっていう課題だと思っています。そこで決め切れる技術もそう、決め切るメンタルもそう、落ち着きもそう、そこがやっぱりまだまだ上のチームに追いついていけないところなので、そこを決め切るようにしながら上を目指して行きたいですね」 この先勝ち上がって行けば待ち受けるのは百戦錬磨の強豪校たち。諸刃の剣になりかねない『市ヶ尾スタイル』だが、一転それが通用した時には多くの高校サッカーファンが熱狂することは間違いない。この秋、そんなスタジアムの光景を是非とも見てみたい。 (文・写真=西山和広)