「合計身長369cm」の大型ユニットが10億円を被災地に寄付…「型破りな男」が生んだ「35年忘れられないフレーズ」
「死ぬまでバカだったな」と言われたい
それからの吉川晃司については、みなさんご存じの通り。社会に対して一切忖度せず、筋を通す、通しまくる、いよいよ「型破り」な生き方を追求していきます。 ストレートな生き方が呼び寄せるのでしょう。吉川晃司の人柄を忍ばせる魅力的なエピソードが実に多い。私が大好きで、かつ深く感じ入ったのは、2022年11月2日放送のNHK『ニュースLIVE!ゆう5時』で彼が話した、東日本大震災のボランティアとして経験したエピソードです。 「子供達もみんな沈んでるじゃないですか、不安もあるし、元気づけようと思って、子供達は仮面ライダー好きだろうなって思って、僕もその時は仮面ライダーは経験してたんで(註:仮面ライダーの映画に出演)、『仮面ライダーは好きか?』って言ったら『嫌いだ!』って言ったんですよ。『助けに来なかった』って言ったんですね。『お父さんが亡くなった』って言って。『仮面ライダー助けに来てくれなかった』って言った時にこっち固まっちゃったんですね。なんて事を言っちゃったんだろう…。仮面ライダーが悪いんじゃないですよ。仮面ライダーは僕も大好きだし…。それが一番の僕の無力感の核ですその時が」 (サイト「COCONUTS」2022年11月3日) しかし、無力感で落ち込むのではなく、逆に奮起した吉川晃司は、COMPLEXを21年ぶりに復活させ、2011年7月30・31日、東日本大震災復興支援のためのチャリティライブを東京ドームで開催、収益金6億5000万円余りを被災地に寄付したのでした。 さらに東日本大震災を受けて、多くの芸能人がいきおい忖度という「型」に陥る原発問題についても、吉川晃司ははっきりと物言いし始めます。 ――「父は広島で入市被爆しており、僕は被爆2世です。(中略)原発問題の根底には、多くの差別や矛盾がある。立地、使用済み核燃料の行き先、働く人々……。事故は続いているのに、海外に原発を輸出する話まである。広島、長崎、そして福島の経験をした唯一無二の国が厚顔無恥では悲しい」 (「朝日新聞」2013年6月9日) さらに「AERA」(2016年5月23日号)は「吉川型破り名言」の宝庫です。 ――「80までカッコつけて、『あいつ死ぬまでバカだったな』と言われたい」 「元気でエロくないとしょうがないでしょう、人間は。俺は『理性は間違うけど本能は間違わない』と思っている」 「最近、『君は大丈夫』と無批判に若者を導くような歌が多いけど、大丈夫じゃないからね」 「一番大事なことは、民がいかに不公平じゃない人生を送れるかだよ」 「年金運用の失敗で5兆円損したとか、川内原発の周辺は地震が起きないとか言ってたけど、ふざけんなよ」