【谷口ももよの“一日一薬膳”】 台湾のビールは夏でもぬるい? 台湾人が年中温かいお茶を飲む理由
7日間で薬膳の基礎を学ぶ、短期集中連載「谷口ももよの“一日一薬膳”」。 年齢を重ねると起こる、さまざまな身体の変化と上手に向き合っていくためにも、自分の身体と対話しながら、ゆるく薬膳をはじめませんか? 薬膳知識のはじめの一歩を、薬膳料理研究家・谷口ももよ先生に教わりました。 【画像】香港国際空港に設置されたお湯のサーバー
冷たい食べものは百害あって一利なし
キャー!! 真冬に街でタピオカミルクティー店に並んでいる若い子たちを見て、思わず悲鳴をあげてしまいました(もちろん口には出さないように堪えましたよ)。この寒いのに元気に並んでいるから、って? 若いってすごいわね、って? とんでもない、全然違いますよ。凍える寒さの中、冷たいものを飲もうだなんて、身体に悪い以外のなにものでもありません。タピオカミルクティーでもアイスクリームでもアサイーでも同じ。よくあんな冷たいものが飲めるものだなと、本当に目が点になりました。 なぜなら、若いうちは胃腸も丈夫だからまだいいですが、その無茶が積もりに積もって、どんどん免疫力が低下していってしまうからです。最近、若い子に冷え性が増えているのはこういった食生活にも原因があると思います。身体が冷え切ってしまうような生活を続けていると、出産するという時に、何かしらダメージとなって表れてくることも。実際、若い頃、養生を知らずにケアを怠っていた私は、出産で大変な思いをしました。妊娠後期、赤ちゃんが私の子宮ではしっかり育つことができず、低体重の状態で誕生したために、その後問題なく成長してくれるか本当に不安な気持ちで一杯でした。 生理痛に悩んでいる若い女の子たちは、市販薬だけでどうにかしようとするのではなく、まず食生活を見直して自分の身体に向き合ってもらいたいと切に願います。自分の未来を想像して、ケアすることの大切さに気付いてもらいたい。それが女性の先輩として、私からのお願いです。
サウナ後の冷えたビールは東洋医学的にはNG
冷たいものは身体を冷やすだけでなく、疲れさせてしまいます。冷たいものを口にすると、胃腸がキューッと縮みあがり、消化どころではなくなってしまうのです。暑いとどうしても冷たいものをとりがちですが、だからこそ、夏は胃腸の調子が悪くなり、疲れやすくなり、夏バテが長引くのです。ああ、なんて悪循環……。 日本ぐらいではないでしょうか、お水にも、お茶にも氷をこれでもかというほど入れて冷やして飲むのは。暑いときにちょっとした涼やかなもの、水分を取るのはもちろん大切ですが、どうかキンキンに冷えたものは控えるようにしてください。 サウナの後の冷えたビールなんて問題外です!! よくあれで倒れないなと思って見ていますが、サウナで汗をかいた後は、白湯までいかずとも、常温のお水やスポーツドリンクをまず飲んでほしいものです。ビールや冷えたシャンパンを飲みたいときは、その前にお水か、少し温かいものを胃に入れることをおすすめします。こんなちょっとしたことでも、効果はあるんですよ。