人気映画の名車も!米国クルマ文化を映し出すミニカー「ホットウィール」の世界
武骨でデカくて手がかかるけど、そこがまたいい。そんなアメ車の魅力を、そのままスケールダウンして世界的にヒットさせたのが、アメリカのミニカーブランド「ホットウィール(Hot Wheels)」だ。いかにもアメリカっぽい、炎のロゴが描かれたパッケージ、一度は見たことがあるだろう。 ▶︎すべての写真を見る 「今さらミニカーの話かよ」と、侮るなかれ。そこには、アメカジ好きでクルマ好きな諸兄の琴線に触れる魅力がたくさん詰まっている。
そんなわけで、コレクター界隈ではTWIN-MILL(ツインミル)のニックネームで知られる、筋金入りのホットウィールマニアのコレクション部屋に潜入。その実、めちゃくちゃクールな世界が広がっていた。
アメリカのカスタム文化をミニカーで味わう
まずは「ホットウィール」というブランドについて。 アメリカの「マテル」という、子供向けのおもちゃメーカーが作っている玩具シリーズのひとつで、同社はあのバービー人形を手がけるメーカーとしても有名だ。 バービーが女の子向け玩具として世界的な人気者に成長していく中、「今度は男の子向けのおもちゃを作ろう!」と始まったのがミニカー。すなわち「ホットウィール」なのだ。 その歴史は長く、今年で56年目。日本でいえば「トミカ」のような、国民的玩具と言えよう。 「ホットウィール」が、ほかのミニカーと違った点は大きく2つ。
ひとつは「足回り」。 それまで左右のタイヤをつなぐシャフトは金属製が一般的であったのに対し、「ホットウィール」はそこに細いピアノ線を使用した。理由はズバリ、スピード。手で押して走らせたときの勢いが一味違う。
もうひとつは、圧倒的なオリジナリティだ。 単純に既存のクルマをスケールダウンしたやつも、もちろん存在するが、豊富なライナップの中で特に存在感を放つのはメーカーによるオリジナルデザイン。
そんなホットウィール初のデザインカーとして登場したモデルこそ、「ツインミル」。およそ55年前にデザインされたオリジナルカーだ。 また、実際には車道を走れないカスタムカー、いわゆる“改造車”を気兼ねなく所有できる悦びもある。