生活保護者が自治体からの援助で葬儀を行う場合「香典」をもらうのはNG?
生活保護者が葬儀を行う金銭的余裕がない場合、自治体からの援助を受けることが可能です。しかし「香典をもらってよいのか」という疑問や「香典は収入とみなされないのか」という不安を抱く方も多いでしょう。 今回は、生活保護者が自治体からの援助を受けて葬儀を行う場合の、香典の受け取りに関する注意点について解説します。 ▼「生活保護」の受給要件とは? 親族への扶養照会は必須なの?
自治体からの援助で葬儀をした場合も香典の受け取りは可能
基本的に、生活保護者は自分の収入のみで葬儀を行うことは難しいです。そのため、生活保護制度によって、自治体からの援助を受けて葬儀を行う必要があります。ただし、生活保護制度のもとで自治体からの援助を受けて葬儀を行う際は「収入」に気をつけなくてはいけません。 生活保護の要件には、収入の規定があります。親族から金銭的な援助を受けた場合も収入とみなされるため、葬儀に際して親族からの援助を受ける場合は、収入が生活保護の要件による規定を超えないよう注意が必要です。 しかし、葬儀で受け取る香典は収入とみなされません。そのため、自治体からの援助を受けて葬儀を行う場合でも、香典の受け取りは可能です。
香典を受け取る場合の注意点
生活保護制度によって受けられる自治体からの援助は、葬祭扶助といいます。生活保護者は、葬儀を行う際の最低限の出費にのみ、葬祭扶助を受けられます。最低限の出費とは、一般的に直葬と呼ばれる、火葬のみ行う葬儀を行うための費用のみの支給です。 香典を受け取る場合も、香典返しに必要な費用は葬祭扶助の支給対象にはならず、自分で支払う必要があります。そのため、あらかじめ香典を辞退することや、香典返しの費用がもらった香典の金額の範囲内におさまるようにするなどの工夫が必要です。
葬祭扶助の支給額は?
葬祭扶助の支給額は、住んでいる地域や世帯の状況によって異なるため注意しましょう。また、厚生労働省が定める級地区分によって地域が分けられており、級地区分ごとの基準額も異なります。 厚生労働省の「2023(令和5)年4月1日施行生活保護実施要領等」によると、級地区分ごとの葬祭扶助の基準額は表1の通りです。