ペスカドーラ町田で突き抜ける。スペインでの2年間で“弱さ”と向き合った毛利元亮の次なる目標【インタビュー】|Fリーグ
勝ち取れなかったブルーノ監督からの信頼
──スペインに行って最初の監督は、元日本代表の監督であるブルーノ・ガルシア監督でした。 そうですね。ブルーノと話す機会があったときに、海外に行きたいという気持ちがあって、ブラジルやスペインを考えているといった話は代表の期間でしていました。それもあってピヴォがほしいとなった時に呼んでくれたのだと思います。 ──代表チームとクラブチームでのブルーノ監督に違いはありましたか? ほぼ一緒ですね。例えばセットプレーの番号とかも、ただスペイン語に変わってるだけだったので、言葉がわからないながらもすぐに理解することができました。なのでプレシーズンのときは、スポルティングといった強いチームとの試合にも出してもらっていました。 ──特徴を知っている監督のもとでプレーしたことは、やりやすさもあったと思います。 そうですね。ただトップのベンチにはプレシーズンでは何試合か帯同させてもらいましたが、リーグでは出場できませんでした。チームも苦しい状況だったなかで「使いたい」と思われる選手にはなれていなかったと思っています。あとは期待されてるスペインの若手が代表から戻ってきたのもあって、そこでのポジション争いに勝てなかった。信頼を勝ち取れなかったのが大きいです。例えばプレシーズンで点が取れていれば状況は変わったかもしれないし、逆にワールドカップで点が取れていればもっといいオファーがあったかもしれない。タラレバを言ったら山ほどありますが、結局は実力不足だなと思っています。
やっぱり町田が好き
──今回、スペインから町田に戻ってきた理由を教えてください。 このままスペインにいると、もしかしたら賢い選手にはなれるかもしれないけど、自分が求めている選手像からは遠のいてしまうかもしれないという迷いがありました。ディフェンスが2枚来ても反転して点が取れるとか、どれだけ警戒されていても自分でかわして点が取れることを自分は目指していて。それができれば、どこの国と対戦しても日本が脅威になってくると思います。 そのなかでスペインでの2年間は、求められてたことが少し違いました。周りも使ったなかで自分のプレーを出すことも大事だというのは理解していますが、自分の描いていた形とは異なっていて。もちろん全部が環境のせいではないですが、一度仕切り直して地に足つけていこうと思って戻ってきました。レベルの話というよりは、言葉が通じて、自分が安心してできる環境で、またイチから積み上げていけたらなと思っています。 ──2年ぶりに町田に戻ってきて、今やっているフットサルの手応えはいかがですか。 戦術どうこうというよりは、本当に勝つためのフットサルをしていると思います。どれだけうまいパス回しをしても、点が入らなかったり最後のところで戦えなかったら勝てないと思うので、そういうところはユースの時から変わらず甲斐さんが求めているところではあると思っています。 ──町田は今若い選手が多いなかで、毛利選手の経験を伝えていく立場でもあるのかなと思います。 そうなれればいいんですけど、僕も(森岡)薫さんやバナナ(クレパウジ・ヴィニシウス)に聞いてばかりです。今後そういうことができたらいいなとは思いますが、まだそこまではいけていないですし、勝手に見てくれみたいな(笑)。いいプレーを見てくれればいいし、悪いプレーは「こうしないほうがいいな」と思ってくれたらと。でも本当に町田が改めて好きだなと思っていて、昔だったら試合出場時間が少なかったらふてくされていましたが、今はそういう時でもチームのためにという気持ちが強い。自分より経験値が少ない選手には、少なからず声かけはしようという気持ちではいます。ただ僕もまだまだなので、大先輩にいろいろ聞きながらという感じです。 ──町田のどんなところが好き? 簡単に言ったら甲斐さんが好きなんですけど(笑)、これまで一緒にやってきたメンバーがたくさんいて、毎日練習が本当に楽しいです。このメンバーで優勝したいし、甲斐さんを優勝させたいという気持ちが全員あるチームだと思うので、そういうところが好きですね。