「糖尿病」一直線!? “間食”にスナック菓子を過剰摂取するリスクとは 米研究
今回の研究の背景とは?
編集部: オハイオ州立大学の研究グループが今回の研究を実施した背景を教えてください。 中路先生: 最近のアメリカ人のための食事ガイドラインでは、地中海料理などの特定の食事パターンが2型糖尿病を含む慢性疾患の予防と関連していることから、全体的な食事パターンに焦点が当てられています。 ただ、こうした食事パターンによって食事摂取の全体像が把握できる一方で 、食事の機会、例えば食事と間食における洞察は得られない可能性があることに研究グループは着目しました。 USDA(アメリカ合衆国農務省)は、5年ごとに健康的な食事パターンの一部として「アメリカ人のための食生活ガイドライン」を発表していますが、スナック菓子が1日のエネルギー摂取量に大きく寄与しているにもかかわらず、各食事の機会、特にスナック菓子に関する全国的な専門家によるエネルギーや栄養素の勧告は実施していません。 「アメリカでは糖尿病の有病率が上昇しており、健康を支える食事行動を特定することは、糖尿病の管理を支援し、糖尿病予備軍から糖尿病への進行を遅らせるために不可欠なステップである」と研究グループは捉えました。 こうした背景から、アメリカの糖尿病のない成人、糖尿病予備軍、2型糖尿病患者における間食の消費量、構成、1日のカロリーおよび栄養への寄与を評価することを目的に、今回の研究が実施されました。
研究グループが発表した内容への受け止めは?
編集部: オハイオ州立大学の研究グループによる発表への受け止めを教えてください。 中路先生: これまで肥満や糖尿病などの原因として、お菓子などの間食によるカロリー摂取過多が指摘されていましたが、それを証明する研究はほとんどなされていませんでした。 今回の研究の優れた点は、これらを具体的に定量的に解析したことであると思われます。お菓子はカロリーが高い一方、ビタミンやミネラルはほとんどなく、健康的な食品とは言えません。 そのため、日本人でも同様な注意が必要と思います。しかし、今回の研究はアメリカ人での検討であり、このデータを食生活の異なる日本人にそのまま当てはめるには難しいかもしれません。今後、同様の研究が日本でもおこなわれることを期待します。