6000人の応募から、残ったのは18人だけ…アリババで日本事業のトップに上り詰めた日本人が明かす「グローバルに生き残るための思考法」
次なる野望
そんな大山さんの次なる野望は何か。 「実は、コロナ禍のあおりを受けて、父が経営していた文房具店の業績が芳しくなく、私もアリババの上司から1月ほど休みをもらい、店舗運営に関して応援に駆けつけました。最終的には会社として創業以来続けた文具店舗を閉店し、他の経営資源に集約しました。 現在は経営も軌道に乗っているのですが、長年の愛着のあるお店を閉めることは父も痛みを伴う相当な決断でしたし、それを近くでみていて残りの人生はこのような中小企業をサポートしたいと強く思ようになりました。 SHOPLINEは全世界累計で60万以上のショップにご利用頂いているアジア最大規模のECカートの会社です。我々が提供しているのは、簡単かつ安価にECサイトやウェブサイトが作れるサービスです。シンガポールが本社ですが、特に台湾や香港などのアジア域内でのシェアがとても高いサービスです。 アジアで流行っているような最先端のライブコマースやソーシャルコマースの機能を無料で使うことができ、またECに必要なAIの機能も標準装備されているので、例えば最低3つの商品を登録すると、AIが自動でECサイトを作ってくれる機能や、ホームページやECの多言語・多通貨対応も自動でできます。 これらの機能を使ってウェブ展開できずに悩んでいる地場の中小企業や、例えば成長産業であるインバウンドの訪日外国人向けのサービスを始めたいけど、なかなか一歩踏み出せないような企業を助けられるようになれれば良いですね。『SHOPLINE』をさらに大きな会社にし、SHOPLINEのサービスを通じてたくさんの日本企業に貢献するためには、アリババでの経験が大きく活きてくる――そう信じて、これからも頑張っていきます」
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