中年の恋リア「あいの里2」ハマる人続出のワケ 今どきバズりのヒントも詰まる「熱量の高さ」
Netflix、Amazon プライム・ビデオ、Huluなど、気づけば世の中にあふれているネット動画配信サービス。時流に乗って利用してみたいけれど、「何を見たらいいかわからない」「配信のオリジナル番組は本当に面白いの?」という読者も多いのではないでしょうか。本記事ではそんな迷える読者のために、テレビ業界に詳しい長谷川朋子氏が「今見るべきネット動画」とその魅力を解説します。 【画像】かつての人気番組「あいのり」のピンクのワゴンが「鐘」にリブートされた ■酸いも甘いも知る中年男女の恋の実態
芸人からアイドルまで今年、話題に挙げたNetflixコンテンツの1つに「あいの里」があります。いわゆる恋愛リアリティ番組ですが、コンセプトはこれまでになかったもの。中年の男女が人生最後の恋を求めて共同生活を送るという内容です。現在、シーズン2まで出揃っています。もしかすると、中年の恋愛模様は受け入れがたいものかもしれません。ただし、最後まで見れば満足度は高く、今の時代に求められるバズりのヒントも意外と詰まっています。
「あいの里」の最大の特徴は参加者が35歳から60歳であること。恋愛リアリティ番組と言えば、若者参加が定番ですから、概念を覆すような年齢設定です。キラキラ感が“ない”というのを売りにしているほどです。職業は経営者から元商社マン、美容師、漫画家、元レスキューパイロットなどさまざま。人生経験も豊富です。 酸いも甘いも知る参加者だからこそ生まれてくる会話がちりばめられています。会話の内容は大袈裟ではなく、濃いです。離婚歴や子育ての悩みはほんの序の口。癌になった過去やいじめのトラウマ、卵子凍結の決断といった話題がリアルに語られていきます。相手を見極めるために金銭感覚を確認することも包み隠しません。
恋愛番組であることを忘れてしまいそうですが、おそらく“今度は絶対に恋愛で失敗したくない”という心理が働いているからこその会話です。一緒に卒業したい相手が見つかれば、“あいの鐘”を鳴らし、告白。相手も受け入れればキスをして一緒にその場を去り、失敗したら1人で帰るというルールです。ミッションは古民家で参加者自ら改装しながら、自給自足の生活を行うぐらい。ゲーム性に頼る番組が多いなか、会話だけで勝負した番組です。スタジオMCは田村淳とベッキーが務めています。