【独占】横浜DeNA三浦監督が語る巨人、中日、阪神の勝ち方「虎のルーキー佐藤にはハマスタを好きになってもらっては困る」
実は大きく負け越したのは巨人ではなく9勝15敗の中日だった。特筆すべきはナゴヤドーム(今季からバンテリンドーム)での1勝11敗の数字だ。敵地でカモにされた。 「ナゴヤドームでは、投手陣が抑えながらも、なかなか得点が入らない。現役時代もそうでした。淡々と6、7回まで進み、1、2点差のゲームをするんだけど、最後にスキをつかれて勝ち越されるというイメージがあります」 ナゴヤドームでのチーム防御率は4.45。しかも、昨年、135本塁打を打ったチームが、ここでは、わずかに4本塁打しか打てていない。 「ドラゴンズに対しては我慢強く戦うことです。一瞬のすき、流れを止められるようにしたい」 1点差負けが4試合。何かのきっかけがあればオセロのように勝敗が裏返る可能性もある。今季のバンテリンドームでの初戦は4月6日だ。 阪神にも9勝12敗3分けと負け越した。“タイガースアレルギー”は、2014年以来、実に7年連続である。とにかくハマスタではボカスカ打たれる。スポーツ紙の見出しに使われる“横浜銀行”である。昨年の阪神のハマスタ打率は.279で12本塁打。 「タイガースはハマスタに来ると生き生き打っているイメージがあります。ウチのピッチャーが守りに入ってしまっているんです。ホームランを打たれないようにと。ホームランは打たれちゃダメですが、守りに入ると、よけいにやられる。攻めていかねばなりません」 三浦監督は投手陣に「攻めろ」と大号令をかける。 今季、マークするのは、オープン戦でドラフト制導入後の新人最多となる6本塁打をかっとばしたルーキーの佐藤である。三浦監督は、初戦が重要だと位置づけている。 「沖縄での練習試合では大きいホームランを打たれました。いいバッターであることは見ていてわかります。でも公式戦に入ってから与える第一印象が重要。誰が最初に当たるかわかりませんが、ルーキーへの一発目は、とくに大事です。ルーキーにハマスタを大好きになってもらうと困ります(笑)」 阪神との初っ端のシリーズは4月9日からの本拠地3連戦。順調にいけば、表ローテーションとなり、開幕投手の濱口が重要な佐藤斬りの大役を任されることになる。 三浦監督のインタビューの最後にこんな質問を投げかけた。 ――今年これだけはブレないぞ…と貫く監督哲学は? 「1年間、前を向いていくしかない。いい時も悪い時もあるでしょう。むしろ悪い時の方が多いかもしれません。だからこそ結束という部分を大事にしたい。スローガンは、横浜一心です。過去、連敗して苦しいときにチームがバラバラになることを経験してきました。そうならないように準備していこうと。この方針は僕だけじゃなくチームとして貫きます」 「横浜一心」…スローガン通りの野球である。 余談になるが、ラミレス監督は、試合後の会見でファンサービスも兼ねて采配についての質問に対して何ひとつ隠すことなくガラス張りにしてきた。だが、三浦監督は一部にカーテンを張るという。 「記者さんからすれば“え?”となるのかもしれませんが、ローテーを全部言う必要もありませんし、たとえば、エンドランだったか、単独スチールだったかも、全部、喋ることはないかなと思っています。僕が相手だったら、それを見て“あそこはエンドランだったのか”とわかってきますからね」 “番長”の戦いがスタートする。 (文責・本郷陽一/論スポ、スポーツタイムズ通信社)