“日本最南端の鉄道”を求めて沖縄本島の360km先へ。かつて孤島に存在した「シュガートレイン」とは
観光スポットやグルメも充実していた
日差しが強いのでレンタルサイクルで走っていると汗が噴き出すほどだが、サトウキビ畑が一面に広がる南国らしいのどかな雰囲気は嫌いじゃない。でも、南大東島は外縁部の標高のほうが高く、内側が盆地になっている。そのため、外縁部の高台に行かないと海が見えず、島にいるという感覚があまりない。 現地では3日間過ごし、鍾乳洞の星野洞、大東神社などの観光スポットと合わせて鉄道遺構を訪問。その合間には大東そばや大東寿司といった郷土料理を堪能することもできた。 島ではマグロなどが水揚げされるため、海の幸がお手頃価格で食べられるのが嬉しい。在所地区には小規模ながら飲食店が集まっており、どの店で食べようか迷ってしまうほど。しかも、設置台数は少なかったがパチスロホールまであった。
飛行時間5分弱の日本一短いフライト
そんな南大東島と約8㎞離れた北大東島の間には飛行機の定期便が就航しており、“日本一短いフライト”として知られていたが7月末で運航が終了。 シュガートレイン以外のもう1つの旅の目的がこの飛行機に搭乗することだったからだ。那覇からの到着便が南大東島、北大東島を経由して再び那覇に戻るというルートで、最後に乗っておきたいと思う旅行者が多かったのか、琉球エアコミューターのプロペラ機には空席がほとんどなかった。 離島の空港らしくターミナルからは歩いて機内に向かい、離陸後はシートベルト着用ランプが一度も消えることなく着陸。自分のスマホで飛行時間を計ったところ、この日は5分27秒。 那覇―南大東島の機内ではあったドリンクサービスも当然なく文字通りのアッという間のフライト。上空から島や海を眺めることができ、ちょっとした遊覧飛行気分だ。 両島民の行き来はほとんどないようなく、飛行機がなくなったところで住民の生活には支障が少なそうだが、今後の移動は那覇経由の遠回りルート、もしくは週1便の貨客船に限定される。旅行者にとっては2島の周遊が難しくなるため、観光産業への今後の影響は大きそうな気がするが……。