今日J2再開&J3開幕…村井チェアマンが抱く感謝の思いとは?
キックオフまで36時間を切っていたYBCルヴァンカップのグループリーグ第2節をチェアマン権限を発動し電撃的に延期した2月25日から数えて123日目。新型コロナウイルスという未知の敵にもたらされた中断を乗り越えて、サッカーのある光景が今日27日から日常生活に戻ってくる。 27日には開幕節以来の再開となるJ2リーグの9試合と、3月7日に開幕する予定だったJ3リーグの7試合が全国各地のスタジアムでキックオフ。28日にはそれぞれ2試合ずつが行われ、さらに1週間後にはJ1リーグもいっせいに再開。7月第1週の週末だけで29試合が行われる。 他のプロスポーツ興行に先んじて中断された公式戦は、再開目標が3度設定されては流れ、政府による緊急事態宣言の発令を受けて一時は白紙状態に戻った時期もあった。最高議決機関である理事会をはじめとする各種会議がすべてオンライン方式に切り替えられるなど、サッカーを取り巻く状況が一変してきた日々を、Jリーグの村井満チェアマンは神妙な口調で振り返る。 「スポーツ団体を統括する立場として、スポーツとはいったい何なのかということを、これだけ考えさせられた期間は正直、いままでになかったと思っています。人々が喜怒哀楽を表現し、仲間と一緒に称えあい、時にはブーイングを浴びせ、悔し涙に打ちひしがれる。スポーツとは人間らしさを表現する手段でしたし、生きている時間を確認するような時間でもありました。これが失われてしまってからは大事な何かを、自分の支えになっているものが失われてしまったと感じてきました」 新型コロナウイルスをめぐる状況に神経を尖らせながら、再開および開幕へとこぎ着けるまでの日々で、村井チェアマンは2つの感謝の思いを抱き続けてきた。 ひとつが初代チェアマンの川淵三郎氏(現トップリーグ連携機構会長)が、Jリーグの黎明期に残した言葉に対する感謝だ。 「初代チェアマンの川淵三郎さんが『走りながら考える』と常々言っていましたけど、まさにそのような状況で、いったん考えたものがゼロに戻ることが繰り返されるなかでずっと走ってきました。そのなかで何よりもまずは国民のみなさまの健康をベースに考え、次にサッカー文化を守りながらスポーツが本来もっている可能性で国民のみなさまに何かしらの元気を与えることを考え、そしてファン・サポーターのみなさまとともに、ということを考えてきました」