“昨日の敵は今日の友”新山-稲川、眞杉-郡司が好連係! サプライズが楽しめる共同通信社杯競輪、過去のオモシロエピソード5選
中四国を背負った九州男児! 2020年覇者・中本匠栄/2022年名古屋開催2日目9R
2020年に共同通信社杯を制している中本匠栄は初日終了後、「自動番組キツいな、こんなはずじゃなかったのに…」と泣き笑いの表情を浮かべたところを取材されている。ニュースによると、中本はメンバーが出た際に「単騎でやります!」といち早く宣言したらしい。だが、小倉竜二が「たん、たん、たんじゃレースにならん(たん=単騎の意味)。自分でやったところで何もできないし(中本の)後ろに付きます。今まで連係回数も多いんで」とコメント。 中本は小倉に対して「いいんですか?今の僕はほぼ追い込みなのに…。小倉さんが期待するようなレースはできませんよ!?」と確認。すると小倉は「構わん、構わん、よろしくな!じゃ!」とあっさり返答。続いて桑原大志も「よろしくね」と中本のもとへ挨拶に。腹を括った中本は「やれることをやる。車番も悪いし、できるレースは限られるけど、今ある力で精一杯」と自在のコメントを正式発表した。かくして、中本匠栄-小倉竜二-桑原大志の中四国九州ラインが誕生した。
別線は吉田拓矢-長島大介-木暮安由、坂口晃輔-川口公太朗-宮越孝治。また、坂口晃輔が「吉田君ジカ」のコメント(※坂口のコメントは最後に出てきたもので、中四国九州結束の意思決定に干渉するものではなかった)。 このレースは凄まじい戦いとなった。まず小倉が「自分の仕事」とスタートを取り、中本を援護した。先行1車の吉田の後ろは長島と坂口が火花を散らし、もつれていた。吉田の上昇を見計らって中本は飛び付き策を敢行。長島でも坂口でもなく、中本が吉田の番手におさまった。だが、長島とやり合い失速したかに見えた坂口が最終バック付近でスピード鋭い捲りを放つ。と、ここで小倉がブロック。スピードを殺され、坂口は桑原の横まで下がったが、そのタイミングで桑原も体を当て、坂口の推進力をシャットアウト。 最終4角は吉田、中本、小倉で入り、桑原も外のコース選択し伸び脚を見せた。混戦激戦のラストは中本が吉田を捉えて1着。小倉は3着。直線のスピードはえぐかったが、桑原は僅かに届かずの4着。レース後の中本は、「久しぶりに先頭で動くと決まって、夜は眠れなかった」と明かし、「今日はゆっくり眠れそう」と言葉を残した。