【50代女子・茨城旅】ひとり旅にちょうどいい。「いば旅」で水戸の魅力、新鮮、発見!
旅エッセイ『50歳からのごきげんひとり旅』が大ヒット中の山脇りこさんが茨城を巡る最終回は、満を持してのひとり旅で水戸へ! 食べて、学んで、また食べて、飲んで、サイコーの朝ランと、癒される風景、ひとり旅に“ちょうどいい”魅力をご紹介!
この店のために水戸に来たい~絶滅危惧種の老舗バー
「いきなりですが水戸の夜。ここは、世界の絶滅危惧種ウイスキーが集結する、驚愕のオーセンティックバー『アンバーハウス』。実は数年前『水戸に、いまや銀座でも風前の灯?だよね、って感じの、貴重な、そしてステキなバーがあるよ』とウイスキー通の友人に聞いて、行ってみたいとグーグルマップにマークしていたのです」
「レストランがありそうな、安心感のある通りに面した階段を上ると、いやはやほんとうに聞きしにまさる別世界でした。店内、所狭しと並ぶ、スコッチ、スコッチ、そして愛するライウイスキーやバーボンもずらり」
「御覧の通り、壁一面に普通のウイスキーとお宝、入り混じって、ずらーーーーっと! しかも、壁面に並ぶすべてのボトルの前に、1杯の価格が書いてあるではないですか。例えば、1杯1200円とか1000円とか、ややや安い。いまではなかなか手に入らない貴重なウイスキーも。マスターがスコットランドなどで買い付けてきた値段がベースの価格だそう。たとえ世の中で、どんどん高価になってもおかまいなしだそう。そう?そうなの?いいんですかーっ。バーボン好きな私は、エズラブルック99をロックでお願いしました、たしか1000円だった」
「マスターは御年88歳。矍鑠(かくしゃく)としたというか、飄々と、今もお店にいらっしゃいます。聞けばおすすめを教えてくれるし、じゃあ、あれがいい、と奥の棚から出してきてくれたり。神、うんまちがいなくウイスキーの神様だな。20年?いや30年前?の銀座にタイムスリップした?いや、映画のセットか?と思うような、夢のバーではありますが、銀座のようなピリッとした『お酒に詳しいよね?』とか『バーには流儀があってね』的なハードルと言う名の緊張感は強いられません。だからひとりでカウンターもイケます。 地元のお客さんによれば『僕も親に初めて連れてきてもらったバーがこの店。みんなこの店が原点だからか、水戸にはこういうオーセンティックなバーがいくつもあるんです』とのこと。ああ、お酒強くないけど、回遊してみたい。水戸には、こんな夜があるんだな」