「新日本プロレス」高橋ヒロム、劇的「名勝負」で破った藤波辰爾に驚嘆「70歳なんてウソだろ?なんて力強いんだ」…11・22後楽園全成績
◆ドラディション「DRAGON EXPO 1978」(22日、後楽園ホール)観衆1350・超満員 プロレス界の“レジェンド”藤波辰爾が主宰する「ドラディション」が22日、後楽園ホールで「DRAGON EXPO 1978」を開催した。 メインイベントで藤波が新日本プロレスの高橋ヒロムと一騎打ち。2人は昨年5・30「ドラディション」後楽園ホール大会の6人タッグで初対決。試合後に一騎打ちを約束し1年半の月日を経てついにシングルが実現した。 1978年1月23日にニューヨークでWWWF(現WWE)ジュニアヘビー級王座を獲得し日本マット界にジュニアの歴史を切り開いた藤波と5度もIWGPジュニアヘビー級王座を獲得し「BEST OF THE SUPER Jr.」を4度優勝した現在のジュニア第一人者のヒロム。さらに特別レフェリーを平成時代にトップとしてジュニアをリードした獣神サンダー・ライガーが務めた日本のジュニアヘビー級の歴史を体現した一戦。ピンクのロングガウンで入場したデビュー53年、71歳の藤波。34歳で14年目のヒロムの一騎打ちは、昭和の新日本プロレスがよみがえるグラウンドの展開からスタートした。 ヒロムの強烈なチョップで一気に過熱。藤波も張り手で応戦したが、ヒロムの強烈なドロップキックを顔面に浴びグロッギーに追い込まれた。ただ、藤波も逆襲しドラゴンロケット、ドラゴンスープレックスを繰り出そうと反抗。ドラゴンスクリューでマットへ倒すと足4の字固めで一気に追い込んだ。 さらにドラゴンバックブリーカーを放ったが逆に左膝を負傷。最後は、ヒロムちゃんボンバーからTIME BOMBでライガーがカウント3をたたいた。70歳とは思えない美しい肉体と驚異的なスタミナで37歳のジュニア戦士トップと名勝負を刻んだ藤波へ超満員のホールは「ドラゴンコール」の大合唱が奏でられた。 バックステージでヒロムは藤波に「70歳なんてウソだろ?なんて力強いんだ。何度も危なかった。ウソじゃねえよ。この現役ピチピチのジュニア最強のこの俺が、本当に危なかったんだ。凄い」と絶賛した。 そして「若い人間全員が苦労してるよ。上の人間が上の人間に、いまの時代のプロレスを否定されたら、なに信じればいいんだよ!?アンタらだけは否定しないでくれ。じゃないと、この先のプロレスがなくなっちまう。いまの時代の人間は、アナタたちが残してきてくれたプロレスというものを必死に残そうと、必死にお金を稼ごうと頑張ってるんだ。10年後、20年後、30年後、プロレスがあるか分からないよ。それはいまの頑張っている人間に懸かっているんだ。その頑張っている人間のことを、もっと褒めてあげてください」と訴え「いつの時代もそうだ。アナタたちのときもそうだったのかもしれない。だとしたら、同じことをしないでくれ。俺は藤波辰爾さんの、『いつの時代も、どの時代もプロレスは面白い』という言葉、最高に大好きで、最高にリスペクトができる。リスペクトさせてくれ、頼む」とメッセージを送った。 さらに「藤波さんがあと10キロぐらいやせてくれたら、来年の『BEST OF THE SUPER Jr.』にエントリーしてほしいぐらいの輝きを放ってるよ」と熱望し「あの輝きは誰にも負けない。誰も勝てない。誰もが経験してほしい、あの人とのシングルを。でも、なかなかできないだろう。だったらこっちが上に上がって、俺みたいになって藤波辰爾さんと試合するしかない。絶対みんな経験するべきだ。運がいいことに、藤波辰爾さんは生涯現役を言っている。何度だってチャンスがある。みんなでもっともっと、もっともっとプロレス界盛り上げて、強くなろうぜ」と呼びかけていた。 ◆11・22後楽園ホール全成績 ▼メインイベント 60分1本勝負※スペシャルレフェリー 獣神サンダー・ライガー ○高橋ヒロム(15分44秒、TIME BOMB→片エビ固め)藤波辰爾● ▼セミファイナル スペシャルシングルマッチ 45分1本勝負 ○鈴木みのる(17分30秒、ゴッチ式パイルドライバー→体固め)長井満也● ▼第4試合 タッグマッチ 30分1本勝負 ○船木誠勝、LEONA(15分23秒、ハイブリッドブラスター→体固め)宮原健斗、井上凌● ▼第3試合 タッグマッチ 15分1本勝負 △関本大介、真霜拳號(15分00秒 時間切れ引き分け)石川修司、田村ハヤト△ ▼第2試合 6人タッグマッチ 15分1本勝負 ○AKIRA、スペル・デルフィン、田中稔(11分01秒、ムササビプレス→片エビ固め)越中詩郎、ザ・グレートサスケ、高岩竜一● ▼第1試合 6人タッグマッチ 15分1本勝負 倉島信行、○MAZADA、田島久丸(7分56秒、胴絞めスリーパーホールド)アンディー・ウー、三州ツバ吉●、鈴木敬喜
報知新聞社