野球以外で獲るなら…宗山「芥川賞」金丸「皆勤賞」 楽天&中日ドラ1新春対談(1)
楽天・宗山塁内野手(21)と中日・金丸夢斗投手(21)が新春対談した。昨秋ドラフト会議ではともに複数球団から1位指名された次代の球界を担う逸材2人。プロ1年目を迎える新年の誓いにはそろって新人王を掲げ、将来の展望や同期だから知る互いの意外な一面などを明かした。(取材・構成=花里 雄太、湯澤 涼) ――セ、パ新人王が期待される。 金丸 獲れる年が決められているので、しっかり獲りたい。 宗山 新人王で1年目を終えられたら、翌年、さらにその先につながってくると思う。 ――将来的には。 金丸 沢村賞や投手4冠。狙えるタイトルは全て狙って、少しでも多く獲れたらいい。 宗山 シルバースラッガー賞です。 金丸 カルタにないよ! 宗山 ショートでずっとやっていきたいし、それぐらいの打力があれば戦っていける。 ――野球以外では。 宗山 芥川賞。 金丸 文才あるの? 宗山 文才はないけど、磨いて、いつか本でも出せたら。自伝でもいいね。 金丸 皆勤賞がいい。あまり風邪とかひかないし、1年間しっかりと健康でいられるような選手になりたい。 ――10年後は。 金丸 球界のエースといわれるような選手。中日で活躍して、侍ジャパンに入りたい。 宗山 ショートといったら一番に自分の名前が出てくるようなスケールの大きい選手になっていたい。 ――メジャーへの憧れは。 宗山 シルバースラッガー賞と言ったけど、それぐらい大きな目標を掲げることは大事。最近になってイメージするようになった。 金丸 分かる。少しでもレベルの高い場所でやりたい。行ける時に行きたいし、目標は常に高くだね。 宗山 初めて会ったのは大学2年の12月、大学代表の候補合宿。そこではあまり話さなかったよね。 金丸 第一印象は、かっけえなって。 宗山 紅白戦で対戦して最後はスライダーで三振。初球からスプリットを投げて、ずるいと思った。 金丸 プロ初対戦は苦しそうだから内(角)にいこうかな。 宗山 コースいっぱいに決められたら打てない。“甘く入ってきてくれ”って願いながら打席に立つよ。 ――互いの意外な一面は。 金丸 けっこう宇宙人だよね。 宗山 普通やん。なんでなんで? 金丸 周りからそう聞くし、意外といじってきたり、自分のワールドがある。最初はめちゃくちゃ真面目だと思っていたけど。 宗山 何回か会って話すまでは真面目そうとはよく言われる。金丸はスカしてる(笑い)。マウンドでは格好つけて、普段は普通だよね。 金丸 基本はポーカーフェースだから。 宗山 関大では先頭に立ってふざけるタイプだと聞いたけど。 金丸 それは言い過ぎ…。 ――子供の頃の野球の思い出は。 宗山 (父と自身の母校の)広陵の試合を見に行っていた。プロは広島市民球場の時もなんとなく覚えてる。 金丸 おばあちゃんの家がほっともっと(神戸)から歩いて1、2分だからよく行っていた。金子千尋さん、糸井さん、T│岡田さんがいた頃。宗山は巨人ファンなの? 宗山 父の影響で巨人戦はよく見ていた。好きだったのは(同郷の)ショートの二岡さん、坂本さん。結果を残し続ける秘訣(ひけつ)を聞いてみたい。 《舞台は思い出のジム》対談は昨春にオープンした東大阪市内の野球特化型ジム「DAY ONE」で行われた。昨夏は2人ともコンディションが整わず、金丸は大学日本代表を辞退し、宗山も落選した。その際に2人でトレーニングを行った思い出の場所で「仲間がいて、お互いに安心した」と声をそろえた。広陵野球部で宗山の先輩にあたるトレーナーの浜盛力(はま・もりちか)さんは「2人とも元々の能力が高い。そのパフォーマンスを出せたらトップになれる」とエールを送った。 ◇宗山 塁(むねやま・るい)2003年(平15)2月27日生まれ、広島県三次市出身の21歳。三良坂小1年で野球を始め、三良坂中では軟式の高陽スカイバンズに所属。広陵(広島)では1年夏、2年春に甲子園出場。明大では1年春からリーグ戦に出場し、通算88試合で打率.344、10本塁打、60打点。118安打はリーグ歴代7位。楽天では背番号1。1メートル75、79キロ。右投げ左打ち。 ◇金丸 夢斗(かねまる・ゆめと)2003年(平15)2月1日生まれ、神戸市出身の21歳。広陵小1から野球を始め、広陵中は軟式野球部。神港橘(兵庫)では1年秋からベンチ入りし2年秋からエース。3年夏の県独自大会は8強。関大では1年秋からリーグ戦に登板し、通算20勝3敗、防御率0.83。3年秋から4年秋まで72イニング連続自責点0。中日では背番号21。1メートル77、77キロ。左投げ左打ち。