子どもにイライラしたら6秒ガマン! 自己肯定感を傷つけない叱り方
子どもの自尊心を傷つけないしかり方
ほめることと同じくらい、しかることも大事です。しかることは子どもに「生きる指針」を教えることです。 私自身、子どもをしかることは多いほうです。ただし、子どもをしかるときに気をつけているポイントがいくつかあります。仕事や家事、育児で忙しく、ついカッとなって子どもをしかりすぎてしまう方は、つぎのようなことを意識してみてください。
「ほかの子や自分と比べる」が自己肯定感をもっとも傷つける
「△△ちゃんはもうアルファベットを全部覚えたんだって。○○もがんばらないと」 「お兄ちゃんは3歳のときには一人でトイレができたのに……」 このように、親がほかの子と自分を比べてしかることほど、子どもの自己肯定感を低下させるものはありません。 親としては、ついほかの子が気になって、わが子のやる気を引き出すために言っているのかもしれませんが、比べていたらキリがありません。そもそも、ほかの子ができてもできなくても、自分の子どもの成長には関係ないのです。 「お母さんはそんな悪いことしたことないよ」「お父さんは幼稚園の頃には足し算も引き算もできたぞ」といったしかり方も避けたほうがいいでしょう。親自身と比べて子どもを評価すると、「親は優秀なのに自分は落ちこぼれ」「親を悲しませている」と子どもにつらい思いをさせてしまいます。 「足が遅いのは私に似ちゃったのね」「お父さんと一緒で、英語が苦手なんだな」といった言葉も、親はしかっているつもりはありませんが、同じことです。 こんなふうに「親ゆずり」と決めつけて子どもの自己意識を固定してしまうと、「運動が苦手」「英語が苦手」と思い込んでしまい、チャレンジする気持ちが低下してしまいます。
アンガーマネジメントを意識して「問い詰めない、感情的にならない」
「どうしてそんなこともできないの⁉」 「自分の何がいけなかったか、言ってみなさい!」 こんなふうに問い詰められても、子どもは答えられません。「怒られた」「自分はダメな子なんだ」というマイナスの気持ちしか残りませんし、問い詰められてパニックになれば、どうすればよいのか考えられず、もっとできなくなってしまいます。 「感情的にならない」というのは、わかっているけれどなかなか難しいという人が多いでしょう。 アンガーマネジメントでは、「怒りのピークは6秒で終わる」とも言われています。イライラして感情的になりそうな自分に気づいたら、ほかの部屋に行くなどしてその場を離れるのが得策です。 できないことがあるということは、それだけ伸びしろがあるということです。つい焦ってしまうこともあるかもしれませんが、「今日できないことは来月できればいい」というくらいの気持ちで見守りましょう。 そして、これは親についても同じことです。いつも上手にほめたりしかれたりする親はいません。強くしかってしまい落ち込むことがあっても、「そのぶん明日はほめてあげよう」「ぎゅっとハグしてあげよう」と気持ちを切り替えましょう。
否定的な言葉や嘘の言葉でしからない
また、めったに使うことはないと思いますが、「バカ」「ダメな子」「グズ」「嫌い」などの否定的な言葉は子どもの心を深く傷つけ、自己肯定感を大きく低下させます。 「言うことを聞かないなら出て行きなさい!」といった嘘の言葉も禁句です。思ってもいないことを口にすることは、子どもを傷つけるだけでなく、親子の信頼関係にヒビを入れることになってしまいます。