【40代・50代こそ知っておきたい】タンパク質が体でちゃんと働くには、油をとることが必要だった! その理由は?
加熱せずにとりたい油は、オメガ3系の不飽和脂肪酸
では、加熱しない場合におすすめの油とは? 「最も積極的にとりたいのはオメガ3系の不飽和脂肪酸。亜麻仁油、えごま油、青魚などに含まれる油です。これは体内でつくることができない必須脂肪酸で、ほとんどの人が不足しています。 このオメガ3系の油はとても酸化しやすいので、亜麻仁油やえごま油は加熱調理には使わず、サラダや納豆などにかけてとるのがポイントです。 亜麻仁油やえごま油に醤油や岩塩を混ぜ、刺身にかけてカルパッチョ風にすると、良質の油とタンパク質が同時にとれるのでおすすめです。 また、常温以下の飲み物に入れてとってもいいですし、スプーン1杯程度をそのまま飲むのもいいと思います。ただし、亜麻仁油やえごま油は、容器に低温圧搾製法と書かれたものを選びましょう」 ちなみに、オリーブオイルやごま油はとってもOK? 「オリーブオイルはオメガ9系の脂肪酸で、体内でつくることができますし、加熱によって酸化してしまうので、積極的にとる必要はありません。ただ、良質なオリーブオイルには抗酸化作用が高いポリフェノールが豊富なので、この点ではおすすめ。とるときは加熱せず、サラダなど完成した料理にかけてとりましょう。 また、ごま油もオメガ6系とオメガ9系の脂肪酸なので積極的にとる必要はありません。こちらも酸化しやすいので、料理ができたあとに風味づけに加えるというような使い方をするといいと思います」 上記のような点に気をつけて賢く油をとって、タンパク質に体でしっかり働いてもらいましょう。
【教えてくれたのは】 金津里佳さん 管理栄養士。医療法人美健会 ルネスクリニック東京・管理栄養士。北陸学院大学短期大学部食物栄養学科卒業。産科婦人科、人工透析科、栄養療法を主とする自由診療クリニックでの勤務を経て、2019年より現職。「人の身体はみな同じではない」をつねに意識し、日々の栄養カウンセリングに臨む。「食事は治療」との信念から一生続く食事という行為を根本治療ととらえ、論拠が納得できる正しい情報を届けたいという思いから、書籍などで情報を発信。著書に『9割が間違っている「たんぱく質」の摂り方』(青春出版社)がある。 写真・イラスト/Shutterstock 金津さんphoto/久富健太郎 取材・文/和田美穂