【発達障害の思春期女子】わがままで自己中心的と見られがちなのはなぜ?友達とのトラブルに傷つかないために、この時期に適切な親のサポートとは。療育アドバイザーに聞きました
発達障害の女の子は、思春期になると友人関係の悩みを抱えがち
特に知的に問題が無い子や、境界域と言われるグレーゾーンの女の子は「周りに合わせよう。みんなと一緒がいい」という思いが男の子より強く、小学校の中学年までは比較的典型的な発達の子の中でも大きく目立ちません。しかし、思春期に入る頃、ちょうど生理が始まるあたりの時期になると、女の子は体の成長だけでなく、言語の発達にグッと成長が見られる傾向にあります。 この年頃になると、友達選びもこれまでと違い、家の近所の子や親同士が仲がいいなど、大人の決めた条件ではなく、自分と対等に付き合える子を自分の基準で選ぶようになります。 そうすると、言動が幼く、コミュニケーションの取り方に特性がある発達障害の子の場合は、周囲から浮きがちになり、友達もそのことに気がつき始めます。
発達障害の女の子が、「わがまま」「自己中心的」と思われがちなワケ
発達障害の女の子は、周囲との比較や客観的な自己判断が難しく、「恥じらい」の感情の発達もゆっくりなことがあるために、友人関係をうまく築けない場合が多々あります。 ■自分が会話の中心でないと気が済まない 本人の幼さからくるものですが、相手からの注目や関わる機会を得るために起こす「注目獲得行動」の表れで、自分が会話の中心でないと不安になり、会話に割り込んで嫌われることが。 ■一方的に話して、相手に口を挟ませない 多弁で衝動性が強い場合、思いついたことをすぐに一方的に話し始めて相手に口を挟ませないということもあります。また、話したいことを思いついても、ほんの2,3分の間に何を話したかったかを忘れてしまうなど、短期記憶に問題がある場合は、忘れてしまうことを恐れて一方的に相手に話し続けることがあります。 ■言葉の意味を汲み取ることが難しい 「ガールズトーク」という言葉あるように、女の子は成長とともに言葉や言い回しの独特さが生まれ、会話に「空気を読む」ことが求められがちです。例えば、断り文句にありがちな「行けたら行くわ」という返事を、「行く」と思い込んでしまうなど、発達障害の子は、ストレートな言葉だけの意味で判断してしまい、誤解してしまうことがあるのです。 このような行動が「わがまま」「自己中心的」と思われがちで、典型的な発達の子達から見ると関係を持つのにためらう存在になりがちなのです。その結果、孤立する事となり、保護者はこの状況に心を痛めるかもしれませんが、発達障害はコミュニケーションや社会性の障害であり、支援なしで同世代と対等な友人関係を築くことは困難です。