「自分の発言で何かを変えようとは思わない」それでも秋元才加が社会問題を発信する理由
――日本人は自分の意見を発言することに抵抗を持つ人も多いですが、秋元さんが自分の意見をはっきり言える背景はどんなところにあるのでしょうか。 秋元才加: 幼少期から外国人と触れ合って生活をしていたので、文化や生活様式などの違いを「この人はここが違うんだ」と自然と受け入れられていました。母は外国人で父が日本人というミックスされたカルチャーで育っているので、「みんな意見が違って当たり前」と思っています。 日本人は「言わなくてもわかる」という感覚を持つ人が多いそうですが、外国人の母にはその感覚がありません。私も「言わなくてもわかる」感覚があまりわからないので、普段から自分の意見や想いは全て口に出していました。
SNSで発言するのも沈黙するのも自分の意思
――ご自身の意見を発言するときにどんなことを心がけていますか? 秋元才加:よく質問されるんですが、「私の発言で何かを変えてやろう」みたいな意気込みは、正直ありません。SNSでは「私はこう思ってるけど、あなたはどう思いますか」という軽い感覚でつぶやいています。 ただ、私の発言やツイートに対する意見を見て、自分の至らなさを実感したり、自分とは全く違う解釈をしている方がいたりして、SNSの限界を感じました。分かり合えない人とは分かり合えないですから、無理に文字で伝えようとするのはあきらめました。すごく勉強になりましたね。 芸能人にとってSNSはすごく大切なツールの一つだと思いますが、私は自分の中で一定の見切りをつけてSNSと付き合っているのかもしれません。SNSは字数制限があるので伝えたいことを伝えきれないこともあります。だから、できるだけ自分の声や顔、表情で伝えられるメディアで発言したいと考えています。 ――ご自身の発言に対する世間の反応に対しては、どんなことを思いますか? 秋元才加: 私は自分の気持ちを発言することは珍しいことではないと思っていましたが、メディアで取り上げられて「あ、よほど珍しいことなんだな」と気づきました。若い女性が自分の意見を言うことは、まだまだ日本の世の中としては珍しいのかもしれないですね。ちょっとさびしい気もしますが、もの申す人と思われているのも、なーんだ、変なの。と俯瞰で見ている感じです。 ――自分の意見を発言する一方で、何も言わないでいると「黙っているなら同意と一緒だ」と考える人もいるようです。 秋元才加: 「この話題について触れないんですか」みたいなメッセージをもらうこともありますね。ただ、発言も沈黙も自分の意思であり権利です。沈黙をしていても自分では考えているし、時には胸を痛めているし、私には何ができるだろうと考えています。 もっと楽しいツイートだけをした方がいいのかな、と葛藤することもあります。自分の発言や行動に悩んだり、臆病者なのかと考えることもありますが、「それも私だから仕方がない」と思って受け止めています。