現代人の暮らしが”バグ”る「虫村(バグソン)」に行ってみた! 不動産×テクノロジーの第一人者が、山奥に貨幣経済外の集落をつくる理由って? 神奈川県相模原市・藤野
中村さん自身、小学受験と中学受験を経験しました。妻も同様に、中学受験を経験してきたそう。それでも、ともに「自分たちの受けた教育で本当にいいんだっけ?」という疑問が、すべての出発点だったといいます。AIが普及するであろう将来、問題も答えも、より複雑になります。今の教育で対処する力が養われるのか、さらに自分たちの働き方や暮らし方、これからの社会のあり方を考えるうちに、自然と耳に入ってきたのが「藤野」という地名でした。
山の風景。稜線が美しく、移り変わる空の色、風など、「たくさんのものをもらっている」と中村さん。
「仲のよいデザイナーさんが藤野で暮らしている、都心まで通勤している人もいる、藤野はおもしろい……という話をいろんな人からちらりちらりと聞くようになって。そのうち、シュタイナー学園があることを知り、子どもにもよさそうだ、と。移住先の候補として検討するようなりました」(中村さん)
サウナもつくりました。
大切なのは子ども自身からの生まれる「意欲」。デジタル機器を減らした子育て
藤野とは、神奈川県相模原市緑区にある、旧藤野町のこと。中央線本線が通っており、新宿や東京までも1本で、1時間ほどでアクセスできます。藤野町は戦中に芸術家やアーティストが疎開して住んでいたこともあり、現在も多数の画家や陶芸家、クラフトマンやアーティストが暮らす芸術の町として知られています。
ドアノッカーも地元の作家さん作。
また、独自性の高い教育で知られる「シュタイナー学園」(私立小・中・高一貫校)、持続可能な農業や人と自然が共に豊かになるような関係を築いていくための発信を行う「パーマカルチャー・センター・ジャパン」などがあり、「次の暮らし」「したい暮らし」を求めて来る人が多く、単なる「田舎」ではない暮らしができるとあって、静かに人気を集めています。 「移住先としては自然が豊かな地域を候補として考えていました。たとえば、教育環境が整っているという逗子なども見学しましたが、自分たちにとって最もおもしろそうな変化が起きそうなのは藤野だろうということで、最終的にこのまちに決めました」とその決断を振り返ります。
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