氷見「市民と野球部が一つに」 センバツ21世紀枠推薦プレゼン
第95回記念選抜高校野球大会の出場校を決める選考委員会は27日朝に始まり、21世紀枠候補9校の推薦理由説明会が行われた。北信越地区候補校の氷見(富山)について、高橋英司・富山県高校野球連盟理事長は、逆境に立ち向かった二つのエピソードを説明した。氷見市は人口減で同市唯一の高校で、危機感を覚えた野球部員は市内全地区の小学校を対象に野球教室を開催し、野球の普及に尽力。現在、選手17人のうち16人が同市出身で「今、氷見市民と野球部は氷見市の将来のために一つになろうとしている」と街と野球部の一体感を強調した。 【プロの世界へ】22センバツを彩った選手たち また、「絶望からはい上がり成長を続けるチームの戦い」としてエピソードを披露。「悲劇」として九回2死までリードしながら敗れた昨夏の富山大会決勝を挙げ、「新チームが夏の悔しさをバネに(富山県の)秋季大会では地元の特産、ブリにちなみ『出世魚打線』が5試合64得点と爆発し、プロ注目のエースが相手打線をねじ伏せて30年ぶりの秋季大会優勝を果たした」と部員の成長と実績をアピール。引退した3年生が人数不足を補うため練習を手伝っており、「いつしか野球部の合言葉は『氷見市民、3年生を甲子園に連れて行く』になった」と話した。推薦理由の最後に「今日選ばれる3校で21世紀枠旋風を巻き起こすべく、氷見高校はその先頭に立って甲子園を沸かせることをお約束いたします」と熱弁した。 21世紀枠3校を含む出場36校は27日午後に発表される。今春のセンバツは3月10日に組み合わせ抽選会があり、同18日に兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で開幕する。【荻野公一】