「最低賃金」が全国平均で「1055円」に。最低賃金を下回っている場合はどうしたらいい?
令和6年の最低賃金が発表され、全国の最低賃金の平均が1055円となりました。 そのような中で、実際の賃金が最低賃金より低かった場合、どのように対処すればよいのか分からない人がいるかもしれません。 そこで今回は、実際の給与が最低賃金より少ない場合の対処法についてご紹介します。 ▼会社員で「年収1000万円」以上の割合は? 大企業ほど高年収を目指せる?
「最低賃金」とは
「最低賃金制度」とは、最低賃金法に基づいて最低賃金を定め、雇用主は最低賃金以上の賃金を支払わなければならない制度のことです。 最低賃金法第四条では「使用者は、最低賃金の適用を受ける労働者に対し、その最低賃金額以上の賃金を支払わなければならない。」と定められています。 なお、最低賃金には「地域別最低賃金」と「特定最低賃金」の2種類があります。厚生労働省によると、地域別最低賃金とは都道府県別の最低賃金で、特定最低賃金とは特定産業について定められている最低賃金です。「地域別最低賃金」と「特定最低賃金」の両方が適用される場合は、高い方の賃金以上を支払わなければなりません。 最低賃金に満たない額で雇用していた場合、雇用主は差額を支払わなければならないとされています。また、地域別最低賃金以上の額を支払わない場合50万円以下の罰金、特定最低賃金以上の賃金を支払わない場合は30万円以下の罰金が科せられる可能性があります。
最低賃金は都道府県ごとに異なる
最低賃金は都道府県ごとに異なります。厚生労働省によると最低賃金が1000円を超えているのは、47都道府県中、次の16都道府県のみです。 ●北海道 ●茨城県 ●栃木県 ●埼玉県 ●千葉県 ●東京都 ●神奈川県 ●岐阜県 ●静岡県 ●愛知県 ●三重県 ●滋賀県 ●京都府 ●大阪府 ●兵庫県 ●広島県 なお、もっとも高いのは東京都の1163円、低いのは秋田県の951円となっており、その差は212円です。 ただし、一般的な労働者と比べて著しく労働能力が低いといった場合に限り、最低賃金を減額する特例が認められています。 厚生労働省の滋賀労働局によると、特例を受けられるのは、次の4つのどれかに当てはまり、労働基準監督署に申請書を提出し認められた場合に限ります。 「1 精神又は身体の障害により著しく労働能率の低い者」 「2 試の使用期間中の者」 「3 職業能力開発促進法に基づく認定職業訓練を受ける者のうち一定のもの」 「4 イ 軽易な業務に従事する者」 「ロ 断続的労働に従事する者」