プロ野球FA戦線、前代未聞の"様子見合戦"はなぜ起きた? 主砲も正捕手もみんなそろって「熟考! 熟考!! 熟考!!!」
FA宣言が可能となる日本シリーズ終了直後から、大山を巡る報道は過熱した。 「FA権行使を想定して代理人と契約」「阪神は4年総額16億円規模の大型条件で残留交渉」「巨人が獲得調査へ」など、メディアやSNSで話題を呼んだ。大山のFA動向が注目を集めたのは、永遠のライバルである巨人への"禁断の移籍"が実現するのか、という点も大きかった。 「大山は関東出身であり、巨人は坂本勇人の後継者探しが急務。さらに、岡本和真のMLB挑戦の噂もあるだけに、三塁と一塁を守れる大山はまさに補強ポイントに合致。岡本流出の可能性があるなら、なおさら右の大砲は欲しいでしょう。甲子園で鍛えられているので、プレッシャーへの耐性があるのも魅力です」 その巨人とともにお股ニキ氏が注目していた移籍候補が広島とヤクルトだった。 「大山は広島の新井貴浩監督を師と仰ぎ、打ち方も似ています。右の強打者獲得は広島の長年の課題であり、これまで何人も阪神にFAで選手を奪われてきた意趣返しの気持ちもあるはず。 "たる募金"に頼っていた昔と違い、現在は熱狂的なファンに支えられて経営基盤も安定しているため、秋山翔吾以来の大物獲得を目指すはず。ヤクルトも最近は資金力があり、来オフには村上宗隆がMLB挑戦を目指すともいわれているので、三塁&4番候補として大山は非常に魅力的です」 ■"Cランク"で注目される石川 各選手が熟考を重ねた中、FA宣言一番乗りだったのが石川柊太(しゅうた/ソフトバンク)だ。来月33歳になる石川といえば、2020年に最多勝&最高勝率のタイトルを獲得した実績があり、しかも移籍先の球団に金銭や人的補償が発生しない"Cランク"の選手として注目度はうなぎ上り。 昨季も山﨑福也が同じ状況で人気を集め、6球団競合の末、オリックスから日本ハムへ移籍したのは記憶に新しい。 「年俸6000万円でBランクの選手もいる中、1億2000万円の石川がCランクなのは魅力的。 ただ、球団側の視点に立つと、獲得すべきかどうかは過去の実績よりも『今の実力』で判断すべきです。今季の石川はフォーシームの球威と変化球の精度が上がり、7勝&防御率2点台と調子は良かった。獲得後に急に衰える、ということもないと思います」