余命宣告された高齢の飼い主と心臓病で倒れたポメラニアン 病床から愛犬を思う気持ちが通じ小康状態に 固い絆が1日も長く続きますように
80歳のときにペットショップでオスのポメラニアンを購入した愛知県在住の男性。「ジョン太くん」と名付け、たっぷりの愛情を注ぎ、献身的な世話を続けていました。 【写真】夜のお散歩中です しかし、90代半ばに差し掛かった頃より男性の体調が悪化。立っていることもやっとの状態となりました。 とても大切にしてきたジョン太くんですが、自らの体に万一のことが起きたことを想定し、保護団体に「後の引き取り」の相談を持ちかけました。
「ギリギリまで頑張るが、万一の際には…」
ジョン太くんの引き取りの相談をしたのは、地元の保護団体・SORA小さな命を救う会(以下、SORA)。 相談の際、高齢男性は「一人暮らしで部屋の中で転倒などを繰り返しており、施設に入る予定だが、それまでなんとかジョン太くんと過ごしたい。ギリギリまでがんばりたいが、万一の際はジョン太のお世話を託したい」と言います。 SORAの代表は、これまで多くの飼育放棄者と接してきましたが、その多くは「もう飼えないから後をよろしく」といった身勝手なものばかりでした。しかし、この高齢男性のジョン太くんを思う気持ちとその絆は強く、これを受け「その思いをしっかり受け止め、いざというときにはすぐに引き取ろう」と決意しました。
飼い主同様ジョン太くんにも重篤な持病が…
最初の相談から8カ月ほどが経過したある日のこと。あの男性からSORAに連絡がありました。聞けば、進行性のがんが見つかり、余命幾ばくもなく入院することになったと言います。 代表はあの日の高齢男性との約束を守り、すぐにジョン太くんを引き取りに行きました。そして、保護に際してまずはジョン太くんがかかりつけだった動物病院へと連れて行きました。すると、獣医師は「心臓がかなり悪く、生きているのも不思議なレベル」と言います。 ジョン太くんもすでに15歳を超えた高齢です。しばらく投薬と経過観察をするしか策がなくシェルターではなく、代表の自宅でしばしジョン太くんのお世話をしながら様子を見ることにしました。