「生理で迷惑をかけることに罪悪感があった」子宮内膜症に苦しんだアナウンサーが語る、性について学ぶことの大切さ #性のギモン
副作用のリスクはある。代表的なものは飲み始めの吐き気や頭痛、不正出血などだ。こういったものについて、柳田さんはこう説明する。 「こういった症状はマイナートラブルと呼ばれ、数カ月でおさまることがほとんどです。また、最近は副作用が少ない超低用量ピルが主流です。ピルは何種類もあるので、合わなければ別のピルに替えて試せます。考えられる重大な副作用は血栓症ですが、確率的には、妊婦が血栓症になるリスクより低いとされています」 ただし、40歳を過ぎると血栓症のリスクが高まるため、慎重な投与が必要になる。 「ですから、低用量ピルは、若い年代からの服用が一つのポイントになります。40代以降の患者さんでは、ジエノゲストを選択したり、子宮内に挿入して装着するミレーナという器具を使ったりする場合もあります。いずれにしても、医師とよく相談してほしい」 低用量ピルを服用するには、婦人科を受診しなければいけないというハードルもあるだろう。しかしそれ以上に問題なのは、「生理痛やピルなどに関する正しい知識を得る機会がないこと」と柳田さんは指摘する。
医学生の女性も正しい低用量ピルの知識がない!?
実際に、女子学生の低用量ピルの知識はどの程度なのだろうか。 秋田赤十字病院で研修医として働く菊池華代さんは、学生時代に国際医学生連盟日本支部(IFMSA-Japan)に所属し、小中学生に生理や避妊といった性教育を行う活動をしていた。そして、東京女子医科大学の医学部生だった2022年、「女子大学生における女性のヘルスリテラシーと低用量ピルに対する意識調査」をテーマに論文を書いた。 「ヘルスリテラシーが高いと思われる女子医学生の、低用量ピルの利用状況や知識レベルを調査しました。約7割が低用量ピルの利用経験がなく、その理由を見ると、『何となく不安がある』と回答した人が約30人いました。低用量ピルに関する知識が十分でないことがうかがえます」 少数だが、「保護者に使用を反対されているため」という回答もあり、「ママブロック」の傾向も見えた。