【MLB】 売り手か買い手か? 後半戦の出だしが重要な5球団 鈴木、今永所属のカブスも名を連ねる
日本時間7月20日からMLBは後半戦がスタート。後半戦最初のビッグイベントは、31日に控えるトレードデッドラインだ。例年にも増して混戦模様の今季は、まだトレード市場で売り手と買い手のどちらに回るのか、立場が定まっていない球団も多い。『MLB.com』は後半戦の出だしが特に鍵を握る5球団を紹介。鈴木誠也と今永昇太が所属するカブスもそのリストに名を連ねた。 カブスは今日20日の敗戦を含め、47勝52敗でナ・リーグ中地区最下位、プレーオフ圏内まで3.5ゲーム差という状況だ。勝率でカブスのすぐ下のナショナルズは既に売り手に回っており、カブスもこのままでは売り手に回るのが濃厚かもしれない。しかし、カブスはここ最近絶好調で、事態はややこしくなっている。カブスはロードでオリオールズ相手に記録した3連勝スイープを含め、前半戦を8勝3敗で締め括った。後半戦は本拠地にダイヤモンドバックスとブリュワーズを迎えての6連戦から始まる。ワイルドカードを争うダイヤモンドバックスとのシリーズとの結果が、カブスのシーズンの趨勢を大きく左右しそうだ。 昨季ナ・リーグ覇者のダイヤモンドバックスは、今季ここまで停滞を強いられた。しかし、6・7月は勝率.610と復調し、50勝48敗でワイルドカード3位タイに付けている。カブスとロイヤルズ相手のロード6連戦を良い結果で乗り切れば、ダイヤモンドバックスはトレード市場に買い手として臨むことが確実になる。投手力不足が課題のダイヤモンドバックスだが、7月はイルバー・ディアスとライン・ネルソンの両若手が好投。さらに夏場からはメリル・ケリー、ジョーダン・モンゴメリー、エデュアルド・ロドリゲスといったベテラン先発投手が復帰する。好調な打線に昨季新人王のコービン・キャロルが復調してくれば、プレーオフでは台風の目となるかもしれない。 ナ・リーグ西地区4位のジャイアンツは47勝51敗に沈んでいるが、プレーオフ圏内まではまだ3ゲーム差の位置にいる。オフの積極的な補強もここまで実っていないジャイアンツ。借金4のままでは売り手に回ることが濃厚だが、買い手に回る理由も十分にある。その理由の一つが、デッドラインまでにロッキーズとの7試合、アスレチックスとの3試合を控える易しいスケジュールだ。もっとも今日行われたロッキーズとの後半戦初戦には4対7で敗れている。そして、もう一つの理由がファーハン・ザイディ編成本部長にとっては、今季が自身の進退を賭けたシーズンになるということ。ザイディ編成本部長が自身のクビを永らえるため、デッドラインの補強で挽回を図るかもしれない。 レイズは48勝49敗でア・リーグ東地区4位、プレーオフ圏内まで6ゲーム差に沈んでいる。まだ逆転が不可能ではない位置にいながら、レイズは売り手に回ることが予想されている。レイズのトレード戦略は独特で、買い手・売り手や優勝争いをしているかに関わらず、残り契約期間が短い主力選手を売りに出すことが多々ある。劣勢に立たされた今季は売りに専念する可能性が高いかもしれない。今夏のトレード市場では、外野手ランディ・アロザレーナ、先発投手ザック・エフリン、救援投手ピート・フェアバンクス、三塁手アイザック・パレイデスら多くの主力にトレードの噂が出ている。 ナ・リーグ中地区4位のレッズも47勝51敗で、プレーオフ圏内まで3ゲーム差の位置にいる。エリー・デラクルーズ擁するレッズは若く才能に溢れたチームだ。デビューしたばかりの外野手リース・ハインズが週間MVPを受賞する活躍を見せ、先発左腕ニック・ロドロの復帰が近づくといったポジティブな要素は多い。しかし、後半戦最初の日程はナショナルズ、ブレーブス、レイズとのロードでの9試合。ここでまず結果を出さなければ、プレーオフは遠のくばかりだろう。