東京都は「急速な感染拡大の始まり」 新型コロナ、大曲医師が見解
東京都は12日、新型コロナウイルスの感染状況や医療提供体制を専門家らが分析するモニタリング会議を開いた。その場で、国立国際医療研究センター病院の大曲貴夫(のりお)国際感染症センター長は現在の東京都の感染状況について「感染が拡大しつつあると思われると判定した」と述べた。そして、「新規の陽性者数と、接触歴等不明者数が大幅に増加している。これを我々は急速な感染拡大の始まりととらえている。今後の深刻な状況を厳重に警戒する必要がある」と述べた。 【動画】東京都が新型コロナでモニタリング会議 感染再拡大への対応は?
都は11日、新規感染者が新たに317人確認されたと発表。1日当たりの新規感染者が300人を超えるのは約3か月ぶり。 大曲医師は、新規陽性者数の7日間平均が、11月4日時点で約165人だったのが、11月11日時点では約244人に増加し、増加比は147%となったと指摘。「新規陽性者数は週当たり1400人を超える高い水準」だと訴えた。 また、「4週間そのままの増加比で継続すると新規の陽性者数は約4.8倍、1日当たりの新規陽性者数は1160人」になるとも言及。「極めて深刻な状況だ。絵空事と言われるかも知れないが、私たちは夏に同じような状況があって、本当に週単位で患者さんが急速に増えたことを経験している」と警鐘を鳴らした。
接触歴不明者も増加
大曲医師は、新規陽性者数における接触歴等不明者も増加していると説明。11月11日時点で前週の107.8%から151.5%に上昇しており、「この不明者の増加比が前週から連続して100%を超えている。これは急速な感染拡大の始まりととらえている」と語った。 さらに、151.5%の増加比が仮に4週間持続した場合、「接触歴等不明の新規陽性者数は約5.3倍、1日当たり720人(になる)。もしそうなってしまえば、極めて深刻な状況」だとも強調した。