MotoGP日本GPで無線通信システムの試験実施。2025年導入に向けて『骨伝導』の一方向通信を評価中
10月4~6日に2024年MotoGP第16戦日本GPが栃木県のモビリティリゾートもてぎで開催される。搬入や木曜日会見が行われた3日は、公式セッションとしての走行はなかったが、コース上ではセーフティバイクが周回していた。その理由はコースチェックではなく『無線通信システム』のテストだった。 【写真】MotoGPのセーフティバイクで無線通信システムの試験 F1をはじめ、4輪レースではレース中の無線のやり取りが当たり前のように行われているが、2輪レースでは導入されていない。そのため、現在でもフラッグ、サインボード、ダッシュボードで情報を得ている。 ところが、ドルナスポーツは昨年から安全面の向上を目的としたプロジェクトの新たな試みとして、無線通信システムをテストしている。レースコントロールからライダーへの一方向通信となり、情報を受けるライダーは「直接耳に挿入するイヤホン型」か「耳栓の周りに回るもの」の2種類をテストしていたという。 今季においては第13戦サンマリノGP後のミサノテストで試験が行われ、2025年から導入を検討していることも伝えられたが、どのようなデバイスが使用されているのかといった情報がなかった。 そんななか第16戦日本GP前の木曜日にセーフティバイクがコースを周回していた。セーフティカーとセーフティバイクによるコースチェックは毎年見られる光景だが、実際の目的は無線通信システムのテストだった。 コース上でのテストから戻ってきたライダーを見ると、受信機はレーシングスーツの背中のハンプ(コブ)の部分に収められていた。また、ライダーはイヤホンではなく頬と耳の中間に骨伝導システムを貼り付けて情報を聞いており、普段通りに耳栓もしている状態だった。 テスト結果は悪くはなさそうだったが、セーフティバイクはBMW M1000RRのサーキット仕様だ。MotoGPバイクはさらに音が大きく、レース中はさらに速い速度で走るためエンジン音と風切り音がさらに激しいなかで安全に使用できなければならない。 まずは2025年に一方向通信でライダーに情報を送ることが検討されているが、2026年以降はライダーが会話できることも目指されている。どのような開発結果になり、2025年に本当に導入されるのか楽しみだ。 [オートスポーツweb 2024年10月04日]