「引き続き最大級の警戒を」 台風14号、九州へ上陸のおそれ
非常に強い台風14号は19日にかけて、勢力を維持したまま九州の西を北上し、九州に上陸する予想となっている。九州では記録的な暴風、高波、高潮となるおそれがある。すでに鹿児島県には暴風、波浪、高潮の特別警報が発表されているが、その他の地域でも警戒が必要だ。 また、台風周辺や台風本体の発達した雨雲によって、19日にかけて西日本や東日本の太平洋側を中心に猛烈な雨や非常に激しい雨が降り、九州を中心に広い範囲で記録的な大雨となるおそれがある。特に九州南部・奄美、九州北部、四国、中国では線状降水帯が発生して大雨の危険度が急激に高まる可能性があり、土砂災害や低い土地の浸水、河川の増水や氾濫への最大級の警戒が求められる。また、台風が進むにつれて、他の地域でも線状降水帯が発生する可能性があるという。 なお、18日になって、台風が乾燥した空気を巻き込み始めたことなどで、台風の雲の形が崩れ、台風の目も見えなくなるなど、勢力が1日前の予想に比べて弱まっている。この結果、これまで九州北部地方に発表する可能性があるとしていた「台風を要因とした暴風、波浪、高潮の特別警報」について、気象庁は「見送ることにした」と明らかにした。 しかし、台風要因の特別警報の発表が見送られても、台風自体が大きく衰弱したわけではない。また、大雨特別警報が発表される可能性は依然として残っている。 気象庁気象監視・警報センターの池田徹予報官は「台風要因の特別警報を発表しない、という勢力になったが、ギリギリ基準を下回ったというだけ」と強調。「台風14号の特徴として、暴風域が大きく、ゆっくりと北上している点がある。九州北部でも、一部の住家が倒壊するおそれがあるような猛烈な風が吹く見込みだが、その時間帯が長く続くことも予想される。また、命の危険が及ぶような高潮、土砂災害、洪水といった災害が起こる可能性は引き続きある。暴風域がかかる前に避難に関する判断を」と呼びかけた。