【教えて!ベテラン気象予報士・吉田さん】1月下旬に記録的大雪・・・実は記録的な暖かさでした 今年の春は?夏は?さらに未来はどうなる?
先月下旬、強い寒波の襲来で記録的な大雪に。名神高速で18時間にわたって立ち往生が続くなど、各地で大きな影響をもたらしました。ところが先月を振り返ってみると、記録的な暖かさだったとか・・・これ、本当ですか?花粉の飛散や、桜の開花も早くなる?そして夏は猛暑に?ベテラン気象予報士に聞きました。教えて!吉田さん!
記録的な暖かさだった1月
1月は一時的に強い寒波は来たものの、トータルすると平年よりかなり高めで経過しており、近畿地方は観測史上5位タイの記録的な暖かさとなりました。記録的といっても、過去4度は今年の1月を上回る暖かさになったこととなりますが、いずれの年も4月までには平年を下回る月が出てきています。 一方今年は、3カ月予報によると4月にかけても高温傾向が続く予想で、大変な暖かさになりそうな気配です。また、全国的にも1月は観測史上3位の暖かさになりました。
雪の降り方が“ゲリラ豪雨”並み?
記録的な暖かさになったとはいえ、1月24日は一時的に強い寒波が襲来しました。 特に、滋賀県から岐阜県にかけては記録的な大雪となり、大雪に対する警戒が呼び掛けられていたにもかかわらず、名神高速・関ヶ原IC付近での立ち往生など、大規模な交通障害が起きてしまいました。 この大きな要因としては、ごく短時間のうちに多量の雪が積もり、路面状況が急激に悪化してしまったことが挙げられます。 関ヶ原では1時間に12cm積雪が増えており、1時間あたりこれほど積もったことは過去には一度もありません(過去最大は9cm)。まるで、夏のゲリラ豪雨のような降り方です。 この日は北日本から西日本にかけて寒気ドームと言われる背の高い強い寒気の中に入っており、そこにJPCZ(日本海寒帯気団収束帯)がちょうど滋賀県を通過したため、大雪となってしまいました。 とはいえ、この程度の寒波は過去何度もきており、記録的な強さというわけではありません。ただ、この冬は、寒波の来る前は平年より気温の高い日が続いていました。このため、日本海・瀬戸内海ともに海水温が高くなっており(琵琶湖の水温も高め)、JPCZに伴い日本海と瀬戸内海の二手に分けれた風は、どちらの海域からも多くの水蒸気の補給を受けたあと滋賀県で収束し、より積乱雲が発達した結果、短時間の大雪をもたらしやすくなっていたと考えられます。