【教えて!ベテラン気象予報士・吉田さん】1月下旬に記録的大雪・・・実は記録的な暖かさでした 今年の春は?夏は?さらに未来はどうなる?
さらにその先の未来 どうなる?地球温暖化
IPCC(気候変動に関する政府間パネル)が1990年に最初の温暖化の予測(第一次評価報告書)を発表してから、すでに34年が経ってしまいました。 この34年の間、1990年発表のBUSINESS AS USUAL(温暖化対策をしなかった場合)の予測からはやや低めとなりますが、予測幅の範囲内で世界の平均気温が上昇しています。今から30年以上前に出された将来予測で、こんなに当たっているものはあるでしょうか? 過去には氷河期、砂漠化、富士山噴火、東海地震(なお、東海地震など南海トラフに伴う地震は必ず来ます。ただ、正確な日付が予測できないだけです。備えは必要です。)、さらにはノストラダムスの大予言など将来に関してずいぶん悩まされてきましたが、地球温暖化についてはよく当たっています。 あえていえば、ビルゲイツが1995年に出版した「未来を語る」がよく当たっていると評判ですが、今やビルゲイツは温暖化について警鐘を鳴らしている状況です。 今では1990年の頃よりさらに精密なモデルが使用されており、予測の確度が高まっています。今後もエルニーニョやラニーニャなど海面水温の影響で多少上下はするものの、世界はますます加熱し、今から見ると信じられないくらいの異常気象があたりまえのことになっていくことでしょう。未来から今年を見ると、あの頃はまだ寒かったなあと思い出されるかもしれません。 (ABCウェザーセンター気象予報士 吉田裕一)