【教えて!ベテラン気象予報士・吉田さん】1月下旬に記録的大雪・・・実は記録的な暖かさでした 今年の春は?夏は?さらに未来はどうなる?
今年の春 気温は?花粉は?桜の開花は?
3カ月予報によれば、2月・3月とも平年より高く、4月は平年並か高めの予想です。すでに1月31日から菜種梅雨をもたらすような前線が日本付近に近づき、春のような天気図になっています。そもそも1月の初めから春のような天気図が多く、春の中に、突然厳しい冬が来襲するといった状況です。 どうやら、2月も同様な状況が続きそうで、スギ花粉の飛散、梅や桜の開花などほとんどの季節現象が早くなると予想されますが、大雪のおそれも残ります。 また、南岸低気圧による太平洋側の大雪は偶然の要素が大きく、暖かい日が多くても、雪への油断はできません。目先のお天気で言うと、2月4日(日)は西日本、5日(月)~6日(火)は関東甲信地方で大雪に要注意です。
今年の夏は去年を上回る猛暑に?
激しさを増す地球温暖化に加え、エルニーニョとなった2023年は、月別の全国平均気温が平年より10ヵ月も高くなっており(2ヵ月は平年並)、3ヵ月予報ではなにも考えず「高い」と予報を出しておけば、ほとんど当たってしまう状況となってしまっていました。このエルニーニョは今年の春には終わる予想ですが、エルニーニョによる大気への加熱の影響はしばらく残ると考えられます。 さらに、エルニーニョの後、ラニーニャになれば、日本付近の夏の暑さはより厳しくなる傾向があります。 昨年は、冷夏になることの多いエルニーニョだったにもかかわらず記録的な猛暑となってしまいましたが、今年はさらにそれを上回る猛暑になることが懸念されます。 また、降水や台風の予想は難しく、気温が高くなることにより大雨の危険性は高まりますが、太平洋高気圧の張り出しが強まるとなると、昨年9月のように極端に雨が少なくなることも考えられます。予想外の時期に予想外の場所での大雨となったり、逆にいつもは雨の多いところで渇水が発生するなど、過去に経験のない・または過去に経験を超えるような出来事が次々と発生するおそれがあります。