【ハイライト動画あり】ラグビー日本代表、プール1位で準決勝へ。アメリカ代表のフィジカルに屈せず「超速トライ」
この得点後は日本代表の反則が続いた。得点した後に自陣でミス、反則から失点するパターンは早急に修正しなくてはいけない。30分、日本代表ゴール前にラインアウトからのモールでアメリカ代表NO8ジェイムセン・ファナーナ・ショルツにトライを奪われる。スコアは、17-10。しかし、日本代表は流れを完全には渡さなかった。前半38分、負傷のHO坂手淳史に代わって原田衛が出場。SH藤原忍がPKからの速攻でチャンスを作ると、原田が右コーナーにボールを押さえた。「ごっつぁんトライでした。あの時間帯の出場は初めてで緊張しましたが、トライで緊張がほぐれました」。
原田のトライで24-10とリードを広げると、後半5分、ライリーがスピードの緩急とステップで自陣からインゴールまで走り抜け、31-10と突き放す。11分、アメリカ代表WTBネイト・オウグスバーガーにトライを許した後、日本代表は山沢との入替えでベテランの立川理道を投入。立川は冷静に声をかけて流れの悪くなったチームを落ち着かせた。オウグスバーガーの好走からもう1トライ追加されたが、22分、李がPGを決めて34-24とすると、相手陣22m付近のラインアウトからSOに入った立川がディフェンスラインを突破。ライリー、WTBマロ・ツイタマとつないでダメ押しトライをあげる。その後は粘り強いディフェンスと、防御背後へのキックを巧みに使いながら確実に勝利をものにした。
「フィジカルの強いアメリカに対して、自分たちから仕掛けるメンタリティーで80分戦いました。ホームのテストマッチで勝つことには意義があり、嬉しく思います」(立川理道)。エディー・ジョーンズヘッドコーチは、アメリカ代表を称賛した上で、「きょうの日本代表は簡単にボールを渡しすぎていた。汗でボールが滑りやすい環境では、ハードなボールキャリーなどシンプルにプレーしなくてはいけない。課題はあるが、選手たちは試合の中で環境に適応していった」と一定の評価をした。
カナダ代表、アメリカ代表に連勝し、準決勝に進出した日本代表は、9月15日、サモア代表と対戦する。サモアはカナダ、アメリカよりもスピードがあり、スキルフルで得点力がある。さらにプレーの精度を上げなければ勝つことは難しい。このまま上昇曲線を描き、3連勝となるのか。その戦いぶりに注目したい。
村上 晃一