「緊急事態宣言」安倍首相が会見(全文2)30万円給付は5月に始めたい
生活支援は今回の対策で十分か
東京新聞・中日新聞:東京新聞・中日新聞の後藤です。総理から発言のあった緊急経済対策についてお伺いします。政府の緊急事態宣言を受け、対象地域の知事が商業施設や教育施設、スポーツ施設など幅広い業種に対して法的根拠のある休業要請を出すことになりますが、補償や損失補填がセットになっていないのは問題だという指摘も相次いでおります。今後さらに大きな影響を受ける中小企業や個人事業主、会社員ら、数多くの人たちへの生活支援は今回の対策で十分だとお考えでしょうか。 また、収入が減少した世帯への30万円の現金給付、また、事業収入が減った中小企業への20万円の給付などに関しては対象を絞り込む方針となっており、自民党からも不公平感が残ると異論が出ております。政府の線引きにより制度の枠組みからこぼれ落ちてしまう中小企業や家庭の苦しい状況をどう受け止め、どう救済していくお考えでしょうか。お聞かせください。 安倍:今回のイベント等の中止、延期等の要請、あるいは夜の街での自粛要請等々によって、その皆さんにとっては何のとがもないにもかかわらず甚大な影響が及ぶわけであります。そういう皆さんにもご協力をしていただかなければならないということでありますが、そこで、どのような形でそういう皆さんを支援していくかということだと思います。しかしこれは、ある特定の業界にお願いをしても、損失はその業界にとどまるものではありません。そことさまざまな取引をしている皆さんにも大きな影響が出ていくということを鑑みれば、個別に補償をしていくということではなくて、困難な状況にある皆さんに現金給付を行いたいと考えています。
自民党にも一律給付がいいという議論があった
そこで、先ほど申し上げましたように、減収がある厳しい状況の中小企業・小規模事業者の皆さんには200万円、100万円の現金給付を行って支援をしていきたいと思います。また、中小・小規模事業者の皆さん、今一番何が大変かって、手元の資金がないということなんだろうと思います。そのために、無利子・無担保、5年間元本返済が猶予される、まさにお金が出ていく、これは直ちに出ていく必要があると思います。なかなか来ないじゃないかという例があれば、なかなか時間が掛かっているっていう例があればどんどん、それは政府に声をお寄せいただきたいと、こう思いますし、あした金融機関の皆さんにお集まりを、官邸までお越しをいただいて、私からもお願いをさせていただく考えであります。 また、税や社会保険料の大胆な猶予を行う。26兆円規模、これは初めてのことでありますが、そのことによって、それを事業の運用にも使っていくこともできますし、雇調金と併せて雇用を維持していくことができる。まさに必要なものをしっかりとやっていきたいと思います。 そしてまた、30万円の給付についてでありますが、自民党にも一律で給付したほうがいいではないかという議論がありました。私たちも検討した。例えば私たち国会議員もそうですが、公務員も今、この状況でも全然影響を受けていない。収入には影響を受けていないわけであります。そこに果たして5万円とか10万円の給付をすることはどうなんだという点も考えなければならないんだろうと思います。ですから本当に厳しく、収入が減少した人たちに直接給付がいくようにしていきたいと考えました。