南海トラフに備え、コインランドリー会社と防災協定 災害倉庫を活用
和歌山県海南市は、全国でコインランドリーを展開するジーアイビー(名古屋市中区)と、災害時に同社店舗に併設された災害倉庫に備蓄されている資機材を地域住民らが使用できる協定を結んだ。 海南市では6月、災害倉庫を備えたブルースカイランドリー海南店(同市名高)が開店。倉庫には、炊き出しに使える直径約85センチの鍋や、ガス発電機、鋳物コンロなどがある。 協定の締結式が20日、市役所で行われ、神出政巳市長と店舗運営を担う「ビーエスエル」の野田孝志社長が出席。神出市長は「南海トラフ巨大地震による被害が予測されている中で、現状では市の備蓄は十分とはいえず、今回の協力は心強い」とあいさつ。野田社長は「締結を機に、地域のみなさんとの危機訓練を通じて防災意識を高めることができれば」と話した。 締結式後に野田社長は、同店舗で市職員らに資機材の扱い方を説明。市は今後、店舗周辺の住民や自主防災会と、災害時の使用のあり方について協議を行う。住民らに対しては訓練などを通じて使い方を周知する。 同社は令和元年に台風15号で大規模な停電が起きた際、店舗に人が殺到したことをきっかけに「災害時に地域に貢献したい」と2年から災害倉庫などの整備を進めてきた。今月末時点で全国315店舗のうち201店舗が災害倉庫を備えるなどの対応をとっているほか、55自治体と同様の協定を結んでいるという。県内では、海南市で6例目になる。