「もっと値段を下げさせろ」取引先の理不尽な要求を突っぱねるために若手営業が使った"奥の手"
■周りから応援される力も「交渉力」 あるとき、とても納期が厳しい案件を依頼されました。この仕事は、自社だけでなく、デザイナー、素材メーカー、縫製工場の協力を仰ぎながら全力を尽くしてやっと間に合う価格的にも厳しい仕事でした。 それでも、その方から頼まれると不思議と断りたいとは思えないのです。 その方は、周りを巻き込む力を持っていました。同時に、周りが応援したくなる魅力も持っていたのです。 結果として、私はこの案件を引き受け、関係者全員の協力もあり無事に成功させることができました。 相手によって、自分の気持ちや仕事に対するやりがいも変わってきます。やはり、信頼関係のあるパートナーと一緒に仕事をすることは楽しいのだと実感しました。 このように、周りから応援される力も交渉力と言えるのではないかと考えています。周りから応援され、一緒に仕事をしたいと思える人は、普段から人から信用される行動、振舞いを自然に行っているものです。このエピソードは、仕事をする上で何よりも大切なのは「信頼関係」であることを教えてくれました。 ---------- POINT ・信頼関係のあるパートナーとの仕事は厳しくても不思議と引き受けたいと思えるもの。 ・周りから応援される力は、一種の交渉力と言える。 ---------- ---------- 生駒 正明(いこま・まさあき) ビジネス交渉コンサルタント ビジネス交渉戦略研究所代表取締役。慶応義塾大学商学部卒業後、丸紅に入社。国内外1万件の交渉に携わった33年間を経て独立。総合商社の現場で培った交渉ノウハウを「交渉準備の7ステップ」に体系化し、交渉力強化により企業の売上や利益を劇的に向上させる”ビジネス交渉コンサルタント”。商社時代にプロライセンスを取得した元プロボクサー。著書に『ビジネス交渉力の鍛え方』、『なぜかうまくいく交渉術』がある。 ----------
ビジネス交渉コンサルタント 生駒 正明