練習試合勝率.889の西武がV3へ自信…これだけの理由
だが、不安点も残る。練習試合のチーム防御率は4.20。昨年のチーム防御率は4.35、2018年も4.24で2年連続の最下位だ。 「攻撃が最大の防御型」のチームカラーとはいえ、辻監督も「全体的に見て先発陣の調子が上がっていない。もうひとつ上がってこないと不安になるが、これはもうペナントに入ってさらに緊張感が出て違った形が出てくれないと。でも、どうこう言っていられない。(ペナントに入ったら)これでやっていくしかない」と不安をのぞかせる。 だが、ローテーに一人計算は立った。この日、先発した”サブマリン”与座海人(24)だ。五回まで打者16人に対しノーヒットに抑えた。許した走者は三回、藤岡への死球だけ。テンポのいい投球で、力のあるストレートを打者の内、外角に投げ込んだ。スライダー、カーブ、シンカーといった変化球も切れた。六回に田村、藤岡に連打を浴びて無死一、二塁。福田秀の左飛でそれぞれがタッチアップして一死二、三塁となったところでお役御免となった。トミー・ジョン手術のために昨年の今頃はリハビリに励んでいたというが、今季支配下に復帰して、練習試合でローテー入りのアピールに成功した。 辻監督は「(練習試合で)ずっと安定していた。テンポがよかったし死球で崩れるタイプではない。初めて対戦する打者はてこずると思っていた」と評価。5回3分の1で79球、打者19人に被安打2、四死球1、4奪三振、失点・自責ともに2の成績を残したサブマリンに指揮官は合格点を与えた。 与座も「いつも通りにテンポを意識して投げることができてバランスがよかったと思う。ボールもしっかりと指にかかっていた。開幕前、最後の登板としては納得できた」と手ごたえを強調し、連打を浴びた場面を「下位打線だったので六回以降もいい流れで入っていきたかった。そこが課題です」と反省も忘れなかった。 開幕投手は、昨年、破竹の11連勝をマークした2年目のザック・ニール(31)。練習試合で155キロをマークして、ダルビッシュ有ばりのフォームの成長ぶりに目を見張った今井達也(22)、昨年、初の2ケタ勝利を挙げた高橋光成(23)、2年目の松本航(23)、そして与座と先発に5枚は揃った。残り1枚は未定だが、昨年はローテーを守った本田圭佑(27)、十亀剣(32)、そして右ばかりに偏る中、左腕の榎田大樹(33)らの台頭が期待される。