練習試合勝率.889の西武がV3へ自信…これだけの理由
秋山翔吾(32)がFAでメジャー流出。その穴が心配されていたが、逆に外野では、3試合連発の4本塁打で存在感を示した新外国人のスパンジェンバーグ(29)、金子侑司(30)が定位置を確保。木村が猛チャージをかけ、そこに投手から野手転向して2年目の川越誠司(26)、4年目の鈴木将平(22)がアピールを続けた。激しいチーム内競争が生まれ、最強打線をさらにスケールアップさせた。 「川越と鈴木が非常に使えそうだなと。そのことによってスパンジーもふくめ、金子、木村と外野手争いができる。レギュラーもうかうかできない。いい競争意識がチーム内にできた。それがチームを強くする」 辻監督が練習試合での「収穫」とした点だ。 練習試合の後半で1番で起用してきた金子が調子を落としたため、ここ2試合は、スパンジェンバーグを1番で起用した。スパンジェンバーグは三塁、二塁もできるユーティリティプレーヤーで使い勝手もいい。日ハムとの開幕戦は、「1番・スパンジェンバーグ」で行くことを辻監督は明言した。 「この形にせざるを得ない。金子もまいっている部分もあるかもしれないし、スパンジーもまた落ちることもある。いろんなバリエーションを持ってやりたい」 高い得点能力を誇る山賊打線は、森友哉(24)、山川、外崎、中村剛也(36)の中軸のタレントだけでなく、脇役を含めた全員を変幻自在に組み合わせることができるのも特徴。だから年間を通じて打線自体の調子の波をキープできる。 その中でも辻監督が打線のキーマンに挙げたのは、昨年の打点王の”おかわり君”と栗山巧(36)の30代後半に入ったベテランコンビだった。 「中村と栗山が元気であることが一番。彼たちが元気でないと打線はつながっていかない。木村の成長だったり源田も向上している」 3か月開幕が遅れた今季は、移動による新型コロナウイルスの感染リスクを避けるため同一カードの6連戦を主体にした変則日程である。辻監督も「やってみなければわからない」と不安を口にするが、日本シリーズを見ればわかるように、同一カードの連戦では勢いや流れが重要になる。練習試合で、すでに火のついた西武の山賊打線が、このままの勢いで開幕に突入すれば、120試合制度の中でポイントとなる開幕ダッシュを実現できる可能性が高くなる。