「捨てる」はNGワード 実家の片付けをスムーズに行う3つのステップ
実家の片付けを行う際の悩み事といえば、物が多い、どこから始めればいいのかわからない、親が怪我をしそうで危ない、喧嘩になる…など、多くの方に共通する課題があります。片づけ・整理整頓の専門家である戸井由貴子さんは、実家の片付けをする時は「捨てる」という言葉はNGワードだと言います。親が安心して、そして安全に暮らせるように、実家の片付けをスムーズに行うポイントを聞きました。(Yahoo!ニュース Voice)
「捨てたくない」という気持ちに寄り添うことが大切
実家の片付けで一番大事なのは「捨てる」という言葉を使わずに、親の気持ちに寄り添いながら安心安全に暮らせる空間を作っていくことです。 まずは、親と子供の価値観が違うということをしっかり理解します。親世代の物に対する価値観は、長く持つ方が良い、それが美徳というもの。また、“もったいない”という気持ちが強い方も多くいらっしゃいます。 そして、暮らしに対する価値観も違います。親世代だと長く同じ場所で生活していることが多いので、生活習慣をなかなか変えられず、何か不便があってもそれを当たり前としてとらえているため、暮らしを変えていく意識が持てません。このような、物と暮らしに対する価値観が違うという点を理解することが大切です。 そして、「捨てる」という言葉を使わず、「捨てたくない」という気持ちに寄り添うことが大切です。 捨てるのが苦手な人ほど、捨てるという言葉を聞くだけで作業する手が止まってしまうというのはよくあることなので、捨てたくないという気持ちを否定しないで進めてください。 捨てずに使おうと思えばすべての物が使えますが、一日24時間しかない中で、たくさんある物を全部は使い切れません。ただ、このように論理的に説得しようと思っても意見がぶつかってしまうので、論理ではなく残したい感情に寄り添うことがすごく大切です。
実家の片付けをスムーズに行う3つのステップ
私たちは「片付け」と聞くと、物を捨てないと根本的な解決にならないのではないかと思いがちですが、まず何のためにやるのかを考えてみてください。片付けることで「親がより安心安全に生活できるようになるため」と思えば、実家の片付けにおいては、捨てなくても安心な空間を作ることができます。 そこで、実家の片付けを3つのステップで考えてみてください。 まず、自分たち子供世代の物が実家に置きっぱなしになっていたら、それを片付けるところからスタートします。そうすることで、親が「普段は使わないけれども残したい物」を置いておくスペースが確保できます。 場所が確保できたら2つ目のステップです。なぜ実家の片付けをするのか、その目的や目標を親と話し合って共有します。その時に「物を減らした方がいいよ」と言うのではなく、安心安全な生活を送るために、もっと快適な暮らしをするために片付けよう、というアプローチの方がうまくいきやすいと思います。 使いたい物を探すことなくすぐに出し入れできることや、日常生活を送りやすい、掃除がしやすいといったところが快適さになります。 3つ目のステップは、生活空間から物を分けていくという方法です。この時に「捨てる」という言葉を使わずに、カテゴリーごとに物を分けていくことがポイントとなります。 実際にこの分ける作業をしてみると、いらない物が勝手に見つかります。話を聞くだけだと「そんなことあるの?」って思われがちですが、実際皆さんやっていただくとびっくりします。残す物が決まったら、収納場所を考えていきます。