菅田将暉「年齢を重ねるのはうれしい。早く老けたいと思ってたので」
ネットは、ひっそりしていたからこそ意味があったのかなという感じ
── 俳優さんという人前に出るお仕事をしていると、SNSなどで様々な人に様々なことを言われることもあると思いますが、ご自身はそれらとの距離の保ち方や、SNSの扱いをどうしていますか? 菅田 僕はTikTokが主流になって以降、置いていかれてるなと思うんですけど、ネットのコメント欄などの書き込みもあまり見なくなりました。 やっぱりネットは、ひっそりしていたからこそ意味があったのかなという感じもするんです。みんなが少し罪悪感を持って、隠れてこそこそ本音を言い合っていた時代ぐらいまでがたぶん楽しかったのかなと。 大人にはわからない言葉を子供たちが使うように、暗号のようなものをそこで確かめ合って遊んでいたものが、これだけみんなが使える場所ができて、サブカルでもなくなりカルチャーになってしまうと、本来あった、マイナーからの発信だったからこそ笑えたものが、規模がメジャーになったことによって笑えなくもなってしまうというふうに思います。 だから僕は、公式でTwitter(X)はやってますけど、仕事以外のことはつぶやかないですし、他のSNSも情報収集用でしか使わないから、そこで写真を貼ったり、誰かと繋がることもないです。
── あくまでツールとして使ってらっしゃると。 菅田 確かに便利なものではあるので、ツールとして手に負える範囲で使えたらいいかなと思ってますけど。ただ、使い方によっては、今回の映画のようなことも容易に起こり得るということですよね。 ── 本当にそう思います。仕上がった映画をご覧になって、今までで最も笑ったそうですが、ご自身が出演している映画を、そんなふうに客観的に見られるものですか? 菅田 客観というか、自分が出ていて現場を知っているからこそ笑った感じもありますけど……いや、でも客観的に笑っちゃいました。 ── ご自身の出演作を、いつもそのぐらい客観視できるのですか? 菅田 普段はできないです。だから、初めてです。それがなんでできたかっていうと……やっぱり作品が面白かったんだと思います。 ── 2月に31歳になられましたが、この1年半で、30代は20代とは違うな、というような実感はありましたか? 菅田 肉体的にはあります。わかりやすくひとつ思ったのは、(あごのあたりを指して)このあたりにニキビができたんです。今までもニキビができることは全然あったし、めっちゃ肌荒れすることもあったんですけど、どれだけ肌が荒れても1カ月もすれば跡形もなく消えてなくなっていたのが、そのニキビだけはひと月、ふた月……あれ? ワンクール超えた、あれ? 半年超えた……あれ!? 1年いるぞ! みたいなやつがいて。 そしたら家で、「いや、それニキビじゃない。吹き出物だよ」と言われた時に、これが30代か、とは思いましたね。ようこそ! っていう。ようこそニキビ……じゃなくようこそ吹き出物、はこの1年半の間にいました。