大人になってからの友達の作り方、どうすればいい?
キャリア、人間関係、結婚・出産etc…20代後半から30代のyoi読者には、コンプレックスの種がいっぱい。そこで、“セルフラブ”を体現し、毎日を自分らしく楽しむ元CHAIのメンバー・YUUKIさんが、yoi読者にモヤモヤへの向き合い方をアドバイスするこの連載。毎回テーマに合わせてYUUKIさん自身が制作したアート作品と共にお届けします。今回は「大人になってからの友人関係」に関するコンプレックスについて。 「31年間、男性経験がありません」ほか、YUUKIさんがお悩みアドバイス!
お悩み:大人はどうやって友達を増やせばいいの? 友達の作り方がわからない
「大人になってからの友達の増やし方は…? 30代になって、結婚などでそれぞれの環境が変わり、会える友達がだんだん限られてきました。なかには音信不通になる友達も(何かした身に覚えなし…)。同じ友達と会うのも楽しいですが、気軽に会える友達を増やしたいという気持ちもあります。一人でカフェや買い物は行きますが、特にそこから何か交友関係が広がることはなく、習い事などで増やしていくしかないのでしょうか。または自分からガツガツ話しかけるしかないのでしょうか。大人になってからの自然な交友関係の増やし方を知りたいです」(32歳、専門職)
人間関係が変化することは悪いことじゃない。前へと進んでいる証拠!
YUUKI:悩みを打ち明けてくれて、ありがとう! 相談者さんは、これまで一緒に過ごしてきた友達が結婚などでライフステージが変化して、少し取り残されたような気持ちになったのかなと思いました。でも、友達が減ったり、変わったりすることはまったく悪いことじゃないし、むしろお互いが成長して前へと進んでいる証拠だと思うんです。たとえ付き合いが長くても、話が合わない人と無理に関係を続けると、ストレスがお互いに溜まるだけだよね? だから、大前提として、疎遠になったことは、「相手も私も変化したんだな」とポジティブに受け入れていいんじゃないかな。また時がたってタイミングが合えば、友人関係が戻ることだってあるんだし! でも、やっぱりずっと一緒に過ごしてきた友達が減るのは寂しいし、怖いよね。ただ、新しい友達を作るために無理に習い事を始めたり、イベントに顔を出したりする必要はないと思います。だって本当に深いつながりは、夢中になれることの先に生まれるはずだから。 例えば、友達作りが目的でパーティに参加したとしても、そこで出会った人と一過性で終わらない強いつながりを築くためは、結局は「もっとこの人と話したい! 知りたい!」と思えるような共通の関心や趣味、“好き”といった話題が必要になるよね? だから、まずは「自分がこれからどうやって生きていきたくて、何をすれば楽しいと感じるかな?」と考えることが大切。 もし、“趣味”や“好きなこと”がまったくない。仕事を優先してきたから、今さら何をすればいいかわからない…という場合は、好きかはどうかわからないけれど、「やってみたい!」とちょっとでも思うことをひとつずつ試してみるとよいと思います。例えば、子どものときにサッカーが好きだったから、サッカー観戦に行くとか、気になっていたカフェに行くとか。そういうことでOK! ただ、その時に「友達を見つけるため」に行かないこと。あくまでも「自分が気になっているから行く」がすごく大事。そうでないと、そこへ行くことがミッションになってしまって、もし友達ができなかったときに、また次そこへ行くことさえも楽しめなくなっちゃうから。まずは、「自分の興味に正直になること」を大切にして、それを丁寧に育んでいく。そうすれば、その過程で自然と深い部分でつながれる新しい友人と出会えるはず! ■まわりの人に「新しい友達が欲しい」と素直に打ち明ける YUUKI:相談者さんは、「友達が限られてきた」と書いていたけれど、友達がゼロではないということだよね? 一人でも二人でも、今いる友達に「私は友達が欲しい」と素直に言ってみるのもよいと思います。友達の友達だと話が合いやすい可能性もあるし、「私も友達欲しかったんだよね!」という共感から話が始まって仲良くなれるかも。友達が減ることばかりに意識を向けずに、たとえ一人でも二人でも、今いる友達にフォーカスして、そこのつながりを大切にする。そして、本音を打ち明けることで人間関係の輪が広がることもあると思います。 ■店員さんに「ありがとうございます」と目を見て言ってみる YUUKI:「自分からガツガツと話しかけるしかないのでしょうか」というメッセージを読んで、相談者さんは、人見知りなのかなと思いました。もしかして、仲良くなりたいと思った人に出会ったとき、どうアプローチすればいいかわからず、戸惑ったことはない? もしそうだとしら、コンビニやカフェなど、よく行くショップの店員さんに、おつりをもらうときや商品の受け渡しの瞬間などに目を見て「ありがとうございます」と伝える練習を重ねるといいんじゃないかなと。そうやって他人との何気ないコミュニケーションが自然にできるようになれば、初対面で仲良くなりたいと思った人にも、恥ずかしがらずに声をかけられるはず。 仲良くなりたい人に話しかけるって、ちょっと好きな人に告白するような感じだと思うんです。本命だと、「話しかけて、変に思われたらどうしよう…」「嫌われるかも…」といった余計な考えが浮かんできて、話しかけるのをためらっちゃうじゃん? だからこそ、まずは赤の他人に対して自分の親切心を100%を出して、見返りを求めないコミュニケーションを重ねておくと、いざというときに自信が持てるようになるんじゃないかな。 話しかけることに慣れたら、次のステップとしておすすめなのが、相手の素敵だと思ったポイントを褒めること。例えば、「黒目がめちゃめちゃきれいですね」「そのお洋服、すごく可愛くて似合ってますね」とか。だって、褒められてうれしくない人ってあまりいないじゃない? そうすることで、一気に距離が縮まって会話が広がっていくことも多いよ。 ■「友達」ってもっと軽やかで自由でいい! YUUKI:最後に、友達の定義を広げてみるのも、これから友達を作っていくうえで役立つかも。私は、まわりの人から「友達が多いね」とよく言われるし、自分でもその自覚があるんだけど、それは私の中の友達の定義が広いからなのかなと。一度二度しか会ったことない人でも、自分がその人を「友達」と思ったら、ためらうことなくまわりに「友達」と紹介しちゃうんだよね(笑)。 きっと、まじめな人だと「自分は友達だと思っているけれど、相手はどう思っているかわからない…」と気にしてしまうかもしれない。だから「知人です」と表現する人もいると思うんです。でも、関係をどう捉えるかは自分の自由で、必ずしも相手と同じ認識である必要はないと私は考えています。自分がその人を大切に思っていて、友達として接したいと感じるなら、それで十分「友達」と呼んでいい。仮に相手が、「同僚」や「知人」だと思っていたとしても、それはただの認識の違いであって、どちらが正しいとか間違っているわけじゃない。お互いが心地よくいられるなら、それでいいのかな、と。 そういえば、以前友達と話していたときに、その子が「私には友達が二人しかいない…」と言ったことがあったんです。で、その二人の中に、私が入っていなかったんだよね(笑)。その時、私は「えー‼︎ なんで私を友達の中に入れてないのー!? 私は友達だと思ってるのに~!!」って冗談っぽく返しました(笑)。友達って、そんなふうに軽やかで、自由な存在でいいんじゃないかな? なんでも隠し事なしに話さなきゃいけないとか、特別な秘密を共有してなきゃ「友達」になれないわけじゃないしね。だから、友達の定義をもうちょっとだけゆるく、柔軟に考えてみるのもいいかもしれない。相談者さんに、これから素敵な出会いがたくさんあることを心から願ってるよ! 【今回のアートのカイセツ】「夢中なあなたにみんな夢中」 「友達が欲しいと思うとき、まず自分だったらどんな人と友達になりたいかな?そう考えてみたら、きっとピンとくるかも。自分を持っていて、趣味や打ち込める何かがある人はそれだけで魅力的だし、何より一緒にいて楽しそう!そんな人に、あなたがなってみない?今いる周りの人と違っても大丈夫だよ。そんなことを、ただただ自分のカタチで咲き誇ってる、二つのお花で表現してみました」(YUUKI) アーティスト YUUKI 2024年春にバンド活動を終了したCHAIのメンバーで、ベース、作詞、アートワークを担当。現在は、クリエイティブプロジェクト「YMYM」にて、アパレルやライフスタイルグッズのデザインを手がけるほか、作家としてアート作品の制作と発表へ精力的に取り組んでいる。また、アートとカルチャーが融合したマーケットイベント「Art Culture Street.」を定期的に主催し、幅広い活動を展開。 イラスト・撮影/YUUKI 取材・文/海渡理恵 企画・構成/福井小夜子(yoi)