「やってあげてる」では解決にならない…高校生がアフリカの例で感じた「傾聴力」の重要性
ガーナの村に突然現れた「立派な建物」
「課題解決」...この言葉、至る所で耳にします。人々の困りごとや社会が抱える問題を解決しようとする、その姿勢と意欲に異論を挟む余地はないのですが、私が問題意識を感じているのは、様々な場面で問題の掘り下げもそこそこに、当事者を十分に巻き込むことなく、解決策に飛びつく傾向が見られる点にあります。 「課題解決」をテーマにお話しさせてもらう際には、必ず以前FRaUwebでも記事にしたことのある“Library”のお話をします。12年前に初めて、ガーナNGO MY DREAM. orgの活動の場となるボナイリ村を訪れた時のこと。土壁藁葺き屋根の昔ながらの建物が主流の中、コンクリートとトタン屋根が目をひくクリーム色の立派な建物が際立っていました。 村人たちに尋ねると、“Libraryと呼ぶらしい”という答え。鍵を開けてもらい、中に入ると使われた痕跡のない椅子とテーブル、未開封の本が積み上がっていました。“Library”という概念が一般的ではない村に、外からの解決策を一方的に持ち込んだ結果、残念ながらそれが無用の長物となっている姿を目の当たりにした原体験です。 FCIでもこの話をしたところ、生徒たちが感じたことを感想に寄せてくれました。 【学生たちのコメント】 ボナイリ村の図書館のお話を聞いて、何かを「やってあげてる」という感覚じゃだめだなと思いました。図書館を作った人たちが、建てるだけ建てて帰ってしまったのは、相手のことを知ろうとしなかったのと、その知ろうとしなかった原因の一つに「やってあげてる」という認識が無意識のうちにあったのではないかなと思います。全員がそうではないかもしれないけれど、無意識のうちに上から目線になってしまっていたから、相手のことも知ろうとしなかったのかなと思いました。 生の声を聞くことが大切ということはよく聞きますが、利用されていなかったライブラリーのお話を聞いて、現地の人、ターゲットがどう思っているかということを知るということを大切にしなければいけないということを実感しました。 現地の人のためにしていた事が実際にして欲しいことなのかは現地の人と対話を重ねないといけないということが分かりました。なのでこれから何かアクションを起こす時は慎重に行動して行きたいです。