「やってあげてる」では解決にならない…高校生がアフリカの例で感じた「傾聴力」の重要性
2024年を表す漢字は「金」となった。 パリ五輪で海外大会の歴代最高の金メダル数を獲得した日本代表チームの意味もあるだろうが、「政治と金」「物価高」「103万円の壁」など、多くの人が悩まされる「金」の問題もある。 【写真】ここに必要だった? ガーナの村に作られた「図書館」とは そして毎月のように「歴代最遅の真夏日」という言葉を聞いた気候変動もなお、問題が山積。12月10日のノーベル平和賞を授賞式では、被弾連の代表として田中熙巳さんがスピーチをし、核廃絶を訴えた背景には、ロシアをはじめとした核戦争の危機もある。2025年1月にはトランプ氏がアメリカ大統領に就任することに不安を抱く人も少なくないだろう。そして大規模な課題のみならず、誰もが目の前に「課題」を抱えているのではないだろうか。 では課題に直面した時、いったいどうしたらいいかを学校で学ぶにはどうしたらいいのだろう。 2012年から幼稚園から大学まで多くの子どもたちに向け、出前授業や講演活動をしているのが、原ゆかりさんだ。そこで伝えるのはアフリカビジネスや多様性、ダイバーシティ&インクルージョン、キャリア教育や国際理解など幅広い。そんな原さん自身、子どもたちの声からハッとさせられることも多いという。 原ゆかりさんは東京外国語大学を卒業後、外務省に入省。在職中の2012年にガーナ北部ボナイリ村を拠点にNGO MY DREAM. orgを設立し、アフリカのビジネスを支えてきた。2015年、外務省を退職後は、NGOの活動と並行し、三井物産ヨハネスブルク支店での勤務、アフリカ企業での勤務を経験。2018年独立し哲学とストーリーのあるアフリカの高品質商品を取り扱うProudly from Africaを運営している。まさに多様な世界を実体験してきた。 こどもたちとの授業体験から伝えてもらう4回目は、「課題解決」に必要なこと。授業で出てきた子どもたちの声と原さんの気づきをお伝えする。
先行きを見通せない時代に大切なこと
先行きを見通すことが一段と難しくなっているVUCA(ブーカ:「予測が難しく、変化が激しい社会、経済情勢」の時代ーそんな風に表現される世の中を生きる中高生と話をしていると、様々な不安やプレッシャーの中で試行錯誤しながら自分の将来像を描こうと、努力を重ねている姿が浮かび上がってきます。 第1回は「マイクロステップ」、第2回は「当たり前って何だろう」、第3回は「山登り型キャリア」と「川下り型キャリア」についての話をテーマに綴ってきました。今回は、今年4月に地元の愛媛県今治市に新たに開講したFC今治高校(FCI)で行った授業「課題解決は、聴くことから始まる」をテーマに、生徒たちの反応をご紹介しつつ振り返りたいと思います。