異常事態が進行中 「銀行券ルール」って何?/木暮太一のやさしいニュース解説
ただ、去年からこの「銀行券ルール」が一時停止されています。“アベノミクス”に伴って積極的に国債買い入れを進めるのが目的です。 「え? いいの??」 よくありません。短期的には、景気をよくするために目を瞑れるかもしれません。しかし、長期的には絶対にいけません。現在はその「いけない状態」なのです。 日銀は、今のところ政府に「全面協力」をしていますが、この姿勢がいつまで続くとも限りません。もともと、日銀は政府の一部ではなく、独立した組織です。日銀は日銀の仕事があり、「インフレを起こしてはいけない」という責任があります。 そもそも日銀が際限なく買うというのは「異常な事態」なのです。 いくら消費税増税の影響を抑えるためとはいえ、その異常な事態を前提にした借金からは、抜け出さなければいけないと思います。 ----------- 木暮 太一(こぐれ・たいち) 経済ジャーナリスト、(社)教育コミュニケーション協会代表理事。相手の目線に立った伝え方が、「実務経験者ならでは」と各方面から高評を博し、現在では、企業・大学などで多くの講演活動を行っている。『今までで一番やさしい経済の教科書』、『カイジ「命より重い!」お金の話』など著書36冊、累計80万部。最新刊は『伝え方の教科書』。