ゆうちょ銀行の不正出金問題 池田社長が会見(全文5)リスク感度が鈍かった
一番の誤算はどこにあったのか
ニッキン:分かりました。池田社長にお尋ねしたいんですけども、池田社長は従前からサイバーセキュリティー対策というのはかなり重要な問題だというふうにお話しされていたと思うのですが、それでいて今回こういう問題に発展してしまったというのは、内部の体制整備とかガバナンスの問題もそうなんですけども、一番の誤算っていうのはどこにあったというふうに捉えているでしょうか。 池田:サイバーに関しては、私は一番恐ろしい話だろうと思ってまして、私自身もトップリスクとしてサイバーセキュリティーの陣頭指揮をしてるっていうことであります。それで今回、モバイル系というんですか、お客さまの決済サービスっていうことについて事故というか事件が起きたっていうことはもう事実ですが、ゆうちょPayについて非常に新しいものですから、そこからスタートしようっていうような頭がありました。その意味で、mijicaっていうものがそういう安全性というものに対して、結果として非常に手遅れになってきたということを思っております。 それからもう1つは、非常にどこが悪かったかというんですけれども、もう1つは、いわゆる決済業者との関係の、即振でありますけども、即振も決済業者との関係の、取引の関係で、いろいろなところでお互いに安全性を意見してくる、議論をしてきたということがございます。その意味で私自身は、ちょっと即振のところと、それからmijicaについてはもう少し点検が必要だなという思いがあって、今回、いっぺんそれを一緒にして点検していこうという、こういう考え方でございまして、何がいけなかったかといって、やはり安全性に対するうちの中の全体のリスク感度っていうんですか、それが非常に鈍かったというか、そういうのが、総論としてそう思っております。
リスク感度の低さがゆうちょ銀行にもあった?
具体論は先ほど申し上げたように、こことこことここ、手を打てば良かったという、今振り返ってみたらあるんですけども、総論としてはうちの人たちのみんなの、私も含めてリスク感度が弱かったなという思いがあります。 ニッキン:日本郵政グループとしてかんぽ問題の情報の目詰まりですとか、リスク感度の低さって今、社長もおっしゃったんですけど、そういったことも指摘されていましたけれども、そういったことがゆうちょ銀行でもやはりあったという認識でしょうか。 池田:もちろんグループのときに私も申し上げているのは、同じ根っこの体質のグループであるということは最初から申し上げてるところであります。従って、たまたまグループのところでは、かんぽの問題で焦点が挙がってましたけども、私どももいわゆる投資信託のところというのをきちっとしていこうと。それからこのサイバーというのもしていこうと。それからもう1つはマネロンの問題です。これはきちっとしようという思いがあります。その意味で、私がどうこう言うつもりはないんですけれども、やっぱりわれわれの中の、さっきの感度というのが弱かったなというのは、今から見るとそう思っております。 ニッキン:ありがとうございます。 司会:それでは質問のある方は挙手をお願いいたします。それでは一番窓側の最前列の方。